このページを共有する
Select Language
詳細検索キーワード、ジャンル、期間、エリア、タグの条件から、詳細な検索ができます。
ここから本文です。
作成日:2025年12月8日
はんこランド東京 / 印刷博物館 / 手漉き和紙の店watashino
周辺エリア
東京都心部|東京東部|東京南部
品川&天王洲|浅草|神楽坂
12月に東京へ滞在するなら、「年賀状を自分で作って送る」という小さな物語を加えてみませんか。はがきを買うだけでなく、素材選びや言葉づくりから始める一枚は、受け取った人の心に深く残ります。今回は「二言語入りのハンコをオーダーする」「活版印刷でグリーティングカードにメッセージを刷る」「伝統的な和紙のはがきを漉く」といった3つの体験を紹介します。時間や送りたい相手に合わせて、どれか一つだけでも選べば、その年賀状は特別な一通になります。
大井町駅から徒歩3分。駅前商店街にある小さな工房「はんこランド東京」では、自分だけの二言語入りハンコを作ることができます。店内はあたたかい雰囲気で、確かな彫刻技術と親しみやすい接客が評判のお店です。運営元の「文福堂印房」は大正十年創業の老舗。実印や銀行印、法人印を即日で仕上げてきた歴史があり、100年以上にわたって品川エリアに根付いています。
今回おすすめするのは、漢字とアルファベットが一つの印面に並ぶ「デュアルハンコ」です。日本語が読めない相手にも伝わりやすく、年賀状や季節の便り、封筒などに押すだけで「あなたらしさ」を添えられるのが魅力です。
制作のポイントは、3代目店主との丁寧な相談時間。名字にするか名前にするか、アルファベットの表記はどうするか、全体のバランスはどう整えるのかなど、一つずつ確かめながらデザインを考えます。この対話そのものが楽しく、印面の文字やレイアウトを一緒に組み立てていく感覚が心地よく続きます。デザインに迷っても、分かりやすいサンプルと説明が用意されているので、仕上がりをイメージしながら安心して選べます。
ハンコに入れる漢字が決まったら、店主が専用の彫刻機で二つの言語を一つの印面に精緻に彫り上げます。仕上がりまでの時間は約90〜120分。完成したハンコには和風の巾着が付くので持ち運びにも便利です。購入者だけが挑戦できる楽しいミニチャレンジも用意されていて、成功すると勝利者賞としてささやかなプレゼントがもらえるのも嬉しいポイントです。
ハンコが完成するまでの間、駅周辺を散策してみましょう。大井町は昔ながらの商店街や小さな公園が点在する下町情緒あふれるエリア。品川歴史館で東京の歴史に触れたり、大井公園でのんびり過ごしたり、短い散歩が気分を整えてくれて、年賀状に添える言葉のヒントが浮かんでくるかもしれません。
「印刷博物館」では、昔の作業場を再現した印刷工房で、約30分の活版印刷ワークショップに参加できます。活字を選んで組み、手動のレバー式印刷機を使って、季節の挨拶を一枚ずつ刷る体験です。刷り上がった印影には、現代のプリンターでは出せない凹凸やわずかな揺らぎがあり、手作業ならではの満足感が残ります。
印刷博物館は、江戸川橋駅から徒歩約8分。文京・小石川の一角にあるTOPPAN小石川本社ビル内にあります。TOPPANが運営する印刷文化の拠点です。2000年の開館以来、国内で「印刷全般を扱う本格的な博物館」として知られてきました。館内では、木版印刷の文献やレトロな広告ポスターなど、世界の印刷の歴史を多角的に紹介。展示・教育活動を通じて、印刷の役割を広く伝えています。
ワークショップの前に、まずは常設展示を鑑賞しましょう。活字やポスター、版式の変遷をたどりながら、紙とインキの歴史を体感できます。デザイン、歴史、実践的な体験が自然に交わる構成は、印刷された言葉の力を改めて感じさせてくれます。年賀状に添えるメッセージを考えるのにも、最適な時間になるはずです。
展示を見終えたら、印刷工房へ。経験豊富なスタッフが、実物の活版印刷機の扱い方を丁寧に教えてくれます。常設のワークショップでは、季節により欧文または和文の活字が用意され、短いフレーズを美しいレトロな書体で選ぶことができます。冬限定のグリーティングカードづくりでは、24ポイントと大きめの欧文活字から選んで順に並べ、手動のレバー式印刷機を操作して、用意された紙にメッセージを印刷します。メッセージは季節の挨拶テンプレートから選べるほか、「Happy New Year」などの短いフレーズを自由に考えることもできます。
活版印刷のメッセージとともに、本文は自分の手で書き添える。そんな役割分担が、作業の流れを心地よく整えてくれます。体験のあとは、近くの小石川後楽園や神田川沿いを散策してみるのもおすすめです。江戸時代から続く庭園の四季や川沿いの静かな風景が心を落ち着かせて、書く言葉にも自然と深みが生まれます。
※活版印刷体験は公式サイトからの事前予約制です。申し込みは、開催日14日前の正午に受付開始となります。希望の日程は早めにご確認ください。
浅草・雷門近くのビル2階にある「手漉き和紙の店 watashino」は、手漉き和紙の販売と体験を行う工房兼ショップです。アクセスは浅草駅から徒歩1分。にぎやかな浅草の只中にありながら、扉をくぐると静かで落ち着いた空間が広がっています。
ワークショップは約60分。スタッフの案内に従い、簀桁(すけた)という専用の道具を使って水槽から湿った和紙の元となる原料をすくい上げ、前後左右にリズムよく揺らして繊維を重ね、はがきサイズのシートを4枚作ります。水分をしっかり押し出したら、最後は加熱されたラックで乾燥。工程のひとつひとつに、手の動きと水の気配が重なります。
原料は、クワ科の植物・楮(こうぞ)。しなやかな強さと独特のやわらかさを和紙に与えてくれます。体験はスタッフが最初から最後まで丁寧にサポートしてくれるので、初めてでも安心。迷ったときはすぐにアドバイスがもらえるので、落ち着いて作業を進められます。
穏やかな時間が流れる空間で、水に混ざる柔らかなパルプの感触と伝統的な紙漉きのリズムを味わいながら、自然と集中できます。自分の呼吸に合わせて手を動かしているうちに、少しずつ紙が「自分の紙」になっていく感覚が生まれてきます。
仕上げのアレンジも楽しみのひとつです。好きな色の和紙を重ねたり、思い切ってちぎって構成したりと、表現の幅は広めです。さらに、金箔片や乾燥した花びら、好みの繊維などを持参して重ねると、素材の重なりが光や影を取り込み、作品にいっそうの奥行きが生まれます(素材を持参する場合は事前に問い合わせを)。小さな工夫によって、4枚それぞれに個性が宿ります。
こうして完成した和紙は、名前の遊印の朱との相性も抜群。手ざわりや色の揺らぎが重なり、一枚ごとに少しずつ違う表情が現れるのも手漉きならではの味わいです。受け取った人が指先で触れてみたくなるような質感が、言葉の温度をそっと引き立ててくれます。
体験のあとは、浅草寺や仲見世通りへ足を延ばしてみましょう。奥浅草には、昔ながらの問屋建築や甘味処、ゆったりとした参道の土産店も多く、散歩の寄り道にもぴったりです。
東京で手仕事の時間を過ごし、素材選びから一つひとつ作り上げることで、自分だけの年賀状が完成します。ホテルに戻り本文を書き添えたら、街のポストへ投函。手づくりの一通は、新しい年の朝に、あなたの気持ちを丁寧に届けてくれることでしょう。
| 住所 | 東京都品川区東大井5-7-12 |
|---|---|
| URL | はんこランド東京 |
| 住所 | 東京都文京区水道1-3-3 TOPPAN小石川本社ビル |
|---|---|
| URL | 印刷博物館 |
| 住所 | 東京都台東区浅草1-32-11 2F |
|---|---|
| URL | 手漉き和紙の店 watashino |
営業時間・定休日・料金等の最新情報については公式ウェブサイトでご確認ください。