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江戸時代、五街道の起点として整えられた日本橋。商いと暮らし、信仰が重なり合いながら発展してきたこの町には、今もなお、江戸の町人文化の気配が静かに息づいています。日本橋を起点に、老舗や伝統工芸体験、七福神めぐりを通して、江戸の人々の精神や日常に根づいた信仰に触れる散策コースをご紹介します。
日本橋散策のスタートは、「三越前駅」地下コンコースに展示されている『熈代勝覧(きだいしょうらん)』のレプリカから。文化2年(1805年)の日本橋通りを描いた全長約12メートルの絵巻には、問屋や商店が軒を連ね、行き交う当時の人々の姿が鮮やかに描かれています。まずはこの絵巻を通して、「江戸の日本橋」がどのような町だったのかを思い描いてみましょう。歩き出す前に当時の情景を具体的にイメージすることで、これから目にする街の風景が、より立体的に感じられるはずです。
三越前駅の駅コンコース
(徒歩1分)
地上に出ると、そこには日本橋が架かっています。1603年に架橋されて以来、東海道・中山道など五街道の起点として機能してきました。橋の中央には「日本国道路元標」が埋め込まれ、今も日本の道路網の基点となっています。江戸の商人たちは、この橋のたもとから全国へと商いを広げていきました。
日本橋
「日本国道路元標」のレプリカが橋のたもとにある
(徒歩8分)
日本橋の町人文化を今に伝える工芸のひとつが江戸扇子です。実用品でありながら、繊細な意匠や粋な配色が施され、江戸の美意識が息づいています。伊場仙では、扇子の絵付け体験を行うことが可能です。(※詳しくはお店にお問い合わせ下さい)世界に一本だけの扇子を作ることで、「実用の中に美と粋を込める」江戸町人の感覚を共有できるひとときとなるでしょう。
伊場仙の江戸扇子の絵付け体験
江戸扇子
伊場仙(中央区日本橋小舟町4-1)
(徒歩14分)
日本橋七福神は、巡拝距離が約2.2kmと比較的コンパクトで、1〜2時間ほどですべて参拝できるのが特長です。起点や終点は決まっていないため、ご自身の最寄駅や行程に合わせて自由に巡ることができます。七福神めぐりを通して、江戸の町人文化と信仰の結びつきを感じてみてください。
茶ノ木神社(中央区日本橋人形町1-12-10)
日本橋七福神の布袋尊が祀られている。江戸の頃から火伏せの神として信仰を集めてきた
(徒歩4分)
水天宮(中央区日本橋蠣殻町2-4-1)
水天宮の社殿の手前左に、日本橋七福神のひとつ、弁財天が祀られている
橋を起点に商いが広がり、江戸の町人文化が育ち、信仰が日常に根づいてきた日本橋。
歩きながら体験を重ねることで、江戸時代に流れていた時間が、今の風景と重なって見えてきます。
現代のビル群の中にも受け継がれる江戸町人の精神を、ぜひ体感してみてください。