お気に入り

私の東京ガイド

興味のあるページを見つけたら、ハートをクリックしてあなたの「お気に入り」に追加しましょう!

ここから本文です。

作成日:2023年11月20日

野菜を中心としたメニューを提供する飲食店は東京に数多くありますが、中でも今注目なのが、自ら生産を手がけたり、同じようにこだわりを持つ生産者とつながり、安心・安全な食材を提供してくれるお店。それが、カフェやレストランであったり、区営の植物園だったり、ボトリング工場だったりするのが東京ならではのユニークな魅力です。とびきりおいしくて、心身から元気になれる「プラントグルメ」の魅力をたっぷり味わってください。

有機農法を営む農業集団「Ome Farm」直営レストラン ── Ome Farm Kitchen

東京都心から1時間ほどの青梅市で有機農業を行う「Ome Farm」。農薬、化学肥料を使用せず、余った原料から堆肥を作り、その堆肥を使った土で野菜を育てる循環型農業を実現しています。西洋野菜から、江戸東京野菜を含む日本の伝統野菜まで固定種にこだわり、自家採種にも積極的。自然のままの滋味深い野菜は、「ミシュランガイド」掲載店をはじめ、都内の有名レストランにも支持されています。

神田駅、秋葉原駅からほど近い場所にある「Ome Farm Kitchen」は、そんなOme Farmの直営レストラン。自社生産ならではの贅沢に野菜を使ったメニューを、良心的な価格で提供しています。メニューは、野菜のおいしさをダイレクトに感じられるものばかり。人気のカレーは、ニンジンの葉やナス、バターナッツカボチャなど、その都度農場から届く野菜をペースト状にし、クミン、ターメリック、フェンネルなどのスパイスと合わせたルーを使用し、旬の野菜を添えています。

欧米で人気の菜食丼「ブッダボウル」は、ごはんの上にたっぷりの野菜を盛り付けた、究極の野菜メニューとも言える一品。たとえば、イタリアの在来種であるナス「ローザビアンカ」や、間引きされた「コズミックパープルキャロット」のグリル、赤ビーツやニンジンの葉とバジルのソース、バターナッツカボチャとひよこ豆のフムスなど、ひと皿で様々な野菜のおいしさを味わうことができます。使用する野菜を挙げてもらうと、一皿に20種近くあることにも驚かされます。

厨房で腕をふるうのは、2人の女性シェフ。自分たちが扱う食材の一つひとつについて、お客さんにきちんと説明ができること、それが大切だと言います。厨房に立つ傍ら、Ome Farmで収穫作業にも携わっており、シェフ自らが「Farm to Table(農場から食卓へ)」を実践しています。「生産から消費まですべてのプロセスを知っているからこそ、食材の大切さを実感できる」との言葉どおり、カウンター越しに見える野菜を丁寧に扱う姿が印象的です。

食事を終えるころには、心身から活力があふれてくるような気持ちになれるはず。都会の片隅にひっそりと、宝石のような野菜料理が食べられるこんな店があるのも、東京の魅力です。

渋谷の住宅街にあるユニークな「育てて 食べる植物園」 ── 渋谷区ふれあい植物センター

「日本で一番小さな植物園」と呼ばれる場所がじつは、渋谷にあります。2023年7月に「食と農の地域拠点」をテーマにリニューアルオープンした「渋谷区ふれあい植物センター」。渋谷の閑静な住宅街に佇むガラス張りの植物園は、たしかに小ぢんまりとしています。園内にあるのはすべて食べられる植物。みかんなどの柑橘類から、マンゴー、バナナなどの熱帯果樹まで、原産地の異なる様々な植物が共存しています。

温室を見下ろす2階はカフェ・レストランで、園内で育てた植物をその場で食べることができます。人気メニューは、クリスピー感にこだわったピッツァ。グルテンレスで、品種改良される前に近い原始的な小麦である、北海道産のスペルト小麦を100%使用しています。有機野菜で作ったソースを全面に塗ってカリッと焼き上げ、ヘルシーなだけでなく、そのおいしさにファンが多い一品です。隠し味にガーリックを使った「有機ビーツとバター」、ごまが香る「有機ケールとセサミ」など4種類があり、全種類が食べられるクアトロピッツァもおすすめです。この他、サラダやセルフサービスでいただけるハーブウォーターには園内で収穫された有機野菜やハーブが使用されているので、合わせて楽しんでください。

園内の一角には赤、青、グリーンのLEDライトに照らされた水耕栽培室もあり、レタスやルッコラなどのサラダ野菜を育てています。園内には他にも、植物が発する電気信号を音階に変換した音楽が流れる不思議な空間やライブラリー、多彩なワークショップが開催されるイベントルームなどがあります。入園料は100円で、入口を入ってすぐの無料エリアにはボタニカルスタンドがあり、こだわりのスペシャルティコーヒーや季節のスムージー、固定種の種や苗を購入することができます。


この秋からは午後9時までの営業となり、新たにディナーメニューも登場。ライトアップされた幻想的な園内で食事を楽しむことができます。疲れたときにふらりと訪れたくなる、渋谷のオアシスへぜひ出かけてみてください。

有機栽培ハーブから作られたドリンクをボトル缶として製造・販売 ── CAN-PANY

2023年5月に清澄白河にオープンした「CAN-PANY」は、ノンアルコール缶飲料の製造・充填を行うボトリング工場です。千葉県大多喜町で自社栽培した果樹や薬草、ハーブなどを使用した蒸留酒を製造する「mitosaya薬草園蒸留所」の新拠点で、旬の植物を生かしたレシピ開発から充填まで一貫して行っています。

真っ白な空間の奥に工場があり、入口の脇にはドリンクバーを併設。ドリンクバーでは、製造されたばかりのドリンクをその場でいただくことができます。

おすすめは、季節ごとの味が楽しめるジンジャーソーダ。クラフト精神にあふれ、素材の新鮮な味わいを凝縮したドリンクは、ひと口飲めば際立つ香りと味わい深さに驚くはず。商品化するまでは、清涼飲料水として販売するための様々な制限の中で、いかによい製品に仕上げるかに心を砕いたというのも納得のおいしさです。この一杯が、高級なバーで提供されるノンアルコールカクテルではなく、ボトル缶に充填された一杯であること、そして、いつでもどこででも飲めることに、わくわくさせられます。

ジンジャーソーダの主役であるショウガは、高知県にある刈谷農園の有機生姜を使用。秋には、秋ウコン、カルダモンなどを加えたスパイシーな味わいの一杯、春には、花の香りがあふれる一杯、夏にはレッドチリを加えた常夏の国をイメージした一杯が楽しめます。冬のジンジャーソーダはレシピ開発中とのこと。他にも、mitosayaの薬草園で収穫したハーブなどを使用した、ドリンクバーのみの限定メニューもあるので、ぜひチェックしてみてください。

CAN-PANYでは、この他にもオリジナルのトニックウォーターや無農薬プラムを絞ったドリンクを製造・販売しています。これまでには、mitosayaの蒸留酒を作る過程でとれたもろみをコーラの原料にした、「伊良コーラ」とのコラボレーション商品なども開発(※商品は販売終了)。これからも、いろんなアイデア、商品がここから生まれそうです。

Ome Farm Kitchen

住所 東京都千代田区神田須田町2-8-19 パレドール神田 1階
アクセス 都営新宿線「岩本町」駅A1出口より徒歩5分、JR線・東京メトロ・つくばエクスプレス「秋葉原」駅昭和通り口より徒歩7分、東京メトロ丸ノ内線「淡路町」駅A1出口より徒歩9分
URL Ome Farm

渋谷区ふれあい植物センター

住所 東京都渋谷区東2-25-37
アクセス JR線・東急線、京王井の頭線、東京メトロ「渋谷」駅より徒歩8分
URL 渋谷区ふれあい植物センター

CAN-PANY

住所 東京都江東区三好2-6-10
アクセス 都営大江戸線・東京メトロ半蔵門線「清澄白河」駅より徒歩5分
URL CAN-PANY

営業時間・定休日・料金等の最新情報については公式ウェブサイトでご確認ください。

周辺エリア

東京都心部|東京東部|東京西部

渋谷|清澄白河|神田&神保町