お気に入り

私の東京ガイド

興味のあるページを見つけたら、ハートをクリックしてあなたの「お気に入り」に追加しましょう!

ここから本文です。

作成日:2023年5月29日

浅草に隣接するまち、蔵前。地名は江戸時代に幕府の米蔵があったことに由来する、歴史あるまちです。隅田川沿いに位置し、古くから問屋や職人の工房が多い「ものづくりのまち」であることや、古い建物をリノベーションした店舗が多いことなどの共通項から、「東京のブルックリン」と言われています。個性的な店が増え、おしゃれなエリアとして定着した蔵前で、新たな試みに取り組む注目店をご紹介します。

ハイエンドオーディオとスイーツカフェの複合施設 ── KURAMAE CANNELE・GINZA RECORDS & AUDIO KURAMAE

地下鉄蔵前駅近くの路地裏に、休日には行列ができる注目の新スポット「KURAMAE CANNELE(クラマエカヌレ)」と「GINZA RECORDS & AUDIO KURAMAE(ギンザレコード クラマエ)」があります。5階建てのビルをリノベーションし、2023年1月にオープンしたこちらは、1階が「クラマエ・カヌレ」を販売するカウンター、2階がスイーツプレートがいただけるカフェ、3階がレコードとオーディオのセレクトショップ、5階がアートギャラリーとなっています。

「オーディオとスイーツ」という異色のコラボレーションは、有楽町に店舗がある「ギンザレコード」と、都内で個性豊かな飲食店を展開する「クラマエカヌレ」の代表同士が、以前から蔵前に魅力を感じていたことから実現。「ハイエンドオーディオを使用した唯一無二の飲食空間」が誕生しました。カフェで使用されているオーディオは、海外では1.5倍のプレミア価格で取引されることもあるという国内ブランド「TAD」のもので、総額は800万円超。重厚感のある音は生演奏を聴いているようで、オーディオマニアでなくてもその音質に驚くはず。3階のレコードショップでは、オールジャンルのレコード約4,000枚が揃うほか、国内外のメーカーのオーディオシステムが展示されており、視聴や購入ができます。

テイクアウト専用「クラマエ・カヌレ」と、カフェ限定の「グランカヌレ」

カウンターに並ぶ「クラマエ・カヌレ」は店内の工房で焼き上げており、1日数回の焼き上がりに合わせて、焼きたてを購入することができます。外はカリッ、中はとろりとしていて、クラシックな製法や素材にこだわりつつ、より親しみやすい新感覚のカヌレに仕上がっています。

2階のカフェでいただけるカヌレは、店内でしか味わえない「グランカヌレ」。濃厚でねっとりとした卵黄が特徴の「カヌレ専用卵」をはじめ、砂糖にはフランス産カソナード(サトウキビ100%のブラウンシュガー)、香りづけのラム酒には仏ボルドーで樽熟成される「ネグリタ」など、厳選素材を使用した、まさに特別なカヌレです。カフェではこのグランカヌレを、季節のスイーツとカヌレ専用のオリジナルブレンド「カヌレ ド ティ」など、カヌレを引き立てる紅茶と合わせていただけます。

クラシックな空間で心地のいい音楽に浸りながら、特別なカヌレをいただくのは、まさに至福のひととき。にぎやかな観光地に隣接しながら、穏やかでゆったりとした時間を過ごせるのは蔵前の大きな魅力です。隅田川散策を楽しみながら、ぜひ足を運んでください。

隅田川&東京スカイツリー一望のサステイナブルなカフェ ── KAWA KITCHEN

浅草を象徴する吾妻橋を下ってすぐにある厩橋のたもと近く、隅田川沿いという絶好のロケーションに位置するカフェ・レストラン「KAWA KITCHEN」。「サステイナブル」をテーマとし、使い捨てのプラスチック削減に取り組むライフスタイルブランド「S.(エスドット)」初の店舗として2023年2月にオープンしました。店舗デザインは建築家の隈研吾氏によるもので、内装には流木や消火ホースなどの廃材を活用。1階は、竹製の歯ブラシ、ヴィーガン・プラスチックフリーのデンタルフロスなど「S.」のセレクトアイテムが並ぶショップで、2階がカフェ・レストランになっています。2階は開放的なガラス張りで、隅田川と厩橋、その向こうに東京スカイツリーも間近に見渡すことができます。

店名は、隅田川の「川」のほか、カリフォルニアの「加」と日本の「和」の融合を意味する造語。代表の青木愛氏がアメリカ留学を通じて、地球や人々への配慮、健康や社会問題への意識の高さ、革新性などのカリフォルニアの風土に触れ、一方で日本の伝統的な美や深みに気づくきっかけとなった体験に由来しています。

「加と和」は「S.」のテーマであり、カフェのメニューにもリンクしています。メニューの半分以上が野菜料理ですが、これは旬のものや環境負荷の低い食材を使用したり、原産地の把握に努めた結果。とくに人気なのは、雑穀米の上に、伝承豆とひよこ豆で作ったファラフェルと、アボカド、赤かぶ、ケールなどのフルーツや野菜を載せた「ブッダボウル」や、米粉100%のパンに味噌が隠し味の豆乳を合わせた「ソイ味噌チーズ」のオープンサンド、グルテンフリー&ヴィーガンの生どら焼きなど。国産の素材を、季節の要素も取り入れた和紅茶もおすすめです。多様性に配慮し、グルテンフリー、ベジタリアン、ヴィーガンなどに対応したメニューも揃いますが、「特定の人のための場ではなく、みんなが笑顔で食卓を囲むことができる」インクルーシブな場を目指したのだそう。

「学生の頃からカフェがやりたかった」という青木氏にとって、カフェは「人が集うコミュニティ」。みんなが食を通じて楽しい時間を共有しながら、自然や環境、日本の文化など、私たちを取り囲む様々なものの魅力や大切さを発信したり、社会的な取り組みを共有したりできる場。そして、東京の蔵前という地域から、「人と地球」という大きなものへアプローチするためのスタートの地でもあるのです。

100%ロスフラワーを使用した「エシカルフラワー」の専門店 ── ethica lab

蔵前駅から厩橋を渡ってすぐの場所にある「ethica lab」。2022年10月にオープンした、規格外や余剰在庫のために廃棄処分される「ロスフラワー」を100%使用した「エシカルフラワー」の専門店です。「エシカル」とは、人や社会、環境などに配慮した考え方や取り組みを指す言葉で、エシカルフラワーは、代表の藪中桂佑氏が「エシカル」を形にするために生まれました。

エシカルフラワーは生花を乾燥させますが、一般的なドライフラワーよりも鮮やかな発色で、ふんわりとしたつやがあり、より生花に近いのが特徴。ethica labでは1輪ずつ購入できるほか、スワッグやフラワーボトル、エシカルフラワーで作られたコンパクトミラーやピアスなどのアクセサリーも揃っています。

エシカルフラワーが誕生したのは、経営コンサルタントとして企業のSDGs戦略に関わることが多かった藪中氏が、大手企業による地球規模の取り組みとは異なる、スモールビジネスを自ら行いたいと考えたことがきっかけ。「食」の分野に比べて廃棄商品の受け皿が少ない「花」を選びましたが、なんとそれまでは自ら花を買ったことがなく、ゼロから仕入先の開拓や製造方法の開発に取り組んだといいます。

原材料となる花は、北海道から沖縄まで全国の生産者のほか、近隣の小売店、花を扱う事業者などから提供を受けています。合わせて、通常のドライフラワーがゆっくりと自然乾燥させて作られるのに対して、機械を使って短時間で乾燥させる製造方法を開発しました。その他に現在、百貨店のエントランス装飾やアミューズメント施設のワークショップなど、様々な場でエシカルフラワーが活用されており、その可能性はどんどん広がっています。

「蔵前はおしゃれな人がカフェめぐりをする場所」で、ethica labも住所非公開の人気カフェがあった場所をあえて選んだのだそう。店を訪れるお客さんからの要望も多く、今後はカフェを併設した店舗にしたいとのこと。ゆっくりとお茶を楽しみながらエシカルフラワーを選ぶ、そんな過ごし方が蔵前を訪れる新たな楽しみになるはずです。

KURAMAE CANNELE・GINZA RECORDS & AUDIO KURAMAE

住所 東京都台東区蔵前2-1-23 蔵前第2ビルヂング
アクセス 都営地下鉄浅草線「蔵前」駅A1出口より徒歩1分、都営地下鉄大江戸線「蔵前」駅A6出口より徒歩約7分
その他 GINZA RECORDS & AUDIO KURAMAE(Instagram)
https://www.instagram.com/ginzarecords_kuramae/
URL KURAMAE CANNELE

KAWA KITCHEN

住所 東京都台東区蔵前2-10-11
アクセス 都営地下鉄大江戸線「蔵前」駅A7出口より徒歩約2分、都営地下鉄浅草線「蔵前」駅A2出口より徒歩約5分
URL KAWA KITCHEN

ethica lab

住所 東京都墨⽥区東駒形1-1-9 蓮⽥ビル1階
アクセス 都営地下鉄大江戸線「蔵前」駅A7出口より徒歩約3分、都営地下鉄浅草線「蔵前」駅A2出口より徒歩約9分
その他 ethica lab(Instagram)
https://www.instagram.com/ethica__official/
株式会社ethica
https://www.ethicalflower.co.jp/
URL ethica lab

営業時間・定休日・料金等の最新情報については公式ウェブサイトでご確認ください。

周辺エリア

東京東部

東京スカイツリーとその周辺|両国|浅草