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作成日:2024年10月28日

国内外の優れた芸術作品が集い、鑑賞したり購入したり、体験できるのは東京の大きな魅力のひとつ。様々な展覧会やアートイベントが開催される秋のシーズンに合わせて、東京の最新アートニュースを紹介します。

東京の美術館・ギャラリーを無料バスで巡る現代アートイベント ─ アートウィーク東京

注目の美術展、企画展が目白押しの秋の東京。美術館めぐりと東京観光を合わせて楽しみたい人にぴったりのアートイベント「アートウィーク東京」(以下AWT)が、2024年11月7日(木)から10日(日)の4日間にわたり開催されます。

AWTは文化庁の協力のもと、世界最高峰のアートフェア「アートバーゼル」と提携し、2022年より開催されている現代アートの祭典。2024年は都内にある53のアートスペースが参加し、各施設を乗り降り自由な無料のシャトルバス「AWT BUS」で巡ることができます。

© Nacása & Partners, Inc., courtesy Hermès Japon.

AWT期間中に開催される展覧会も充実のラインナップ。参加施設である森美術館(六本木)では、六本木ヒルズのランドマークとして知られる蜘蛛の形の巨大彫刻「ママン」で知られる世界的アーティスト、ルイーズ・ブルジョワの大規模個展を開催。アーティゾン美術館(京橋)では、石橋財団コレクションとアーティストの共演による「ジャム・セッション」展として、2024年ヴェネチア・ビエンナーレ⽇本館代表作家である毛利悠子氏の作品が紹介されます。

AWTでは、美術館だけでなく都内に点在するアートギャラリーを気軽に訪れることができるのも魅力。たとえば銀座メゾンエルメスフォーラム(銀座)では、空間全体を取り込んだインスタレーション作品で知られる美術家・内藤礼氏の個展「内藤礼 ⽣まれておいで ⽣きておいで」を開催しています。同展は、東京国立博物館で開催された同名の個展と連携して企画されたもの。長年鎧戸が閉ざされていた東京国立博物館の本館特別5室から、ガラスブロックに囲まれた銀座メゾンエルメスへ、場所を移しながらも絵画や立体作品によって両会場がつながる展示は必見です。

さらに、会期中の4日間限定で南青山に「AWT BAR」が登場。こちらでは、フランス発の世界的美食ガイド「ゴ・エ・ミヨ」の日本版「ゴ・エ・ミヨ 2023」でベストパティシエ賞を受賞した⻘⼭「EMMÉ」の延命寺美也氏によるオリジナルフードや、AWT参加施設で鑑賞できるアーティストとのコラボレーションカクテルなどを味わうことができます。

このほか、現存する⽇本最古の私⽴美術館である⼤倉集古館(⻁ノ⾨)では、出展作品を購入できる「買える展覧会」として始まった「AWT FOCUS」が開催されるほか、参加ギャラリーのアーティストの映像作品を厳選して上映する「AWT VIDEO」、シンポジウムやオンライントークなどからなる「AWT TALKS」など、さまざまなプログラムが各所で実施されます。東京発の現代アートの「いま」に触れられる、年に一度のアートイベントへぜひ足を運んでみてください。

トーマス・ルフ《d.o.pe.07 III》2022年
© Thomas Ruff, courtesy Gallery Koyanagi.

イケムラレイコ《Stehende I, II》1991年
Photo by Shigeo Muto. ©︎ Leiko Ikemura, courtesy ShugoArts.

加藤翼《Break it Before itʼs Broken》2015年
© Tsubasa Kato, courtesy the artist and Mujin-to Production.

蜷川実花 with EiM《胡蝶》2024年
© Mika Ninagawa, courtesy Tomio Koyama Gallery.

アニメから現代アートまで最先端アートを発信する超高層複合ビル ─ TODA BUILDING

2024年11月2日、東京駅から徒歩7分の京橋エリアに、28階建ての超高層複合ビル「TODA BUILDING」が開業。この地で120年以上社業を営む戸田建設の本社ビル建替えに伴う大規模プロジェクトとして、江戸時代からものづくりの文化が息づく京橋の地に、人と街、アートをつなぐ、新たな芸術・文化拠点が誕生します。

TODA BUILDINGは、隣接するミュージアムタワー京橋とともに、「アートと文化が誰にも近い街」をコンセプトとした新しい街「京橋彩区」を形成。街区には、ミュージアムタワー京橋内にあるアーティゾン美術館を含め、美術館やイベントホール、ギャラリーなどが集結し、中央通りに面した緑豊かな広場でもアート鑑賞を楽しむことができます。

1階には、アートギャラリーとベーカリー&カフェからなる「Gallery & Bakery Tokyo 8分」がオープン。ミュージアムのような空間で、アート作品を鑑賞しながら食事を楽しむことができます。3階のギャラリーコンプレックスには、日本の現代アートを牽引する「タカ・イシイギャラリー」「小山登美夫ギャラリー」「KOSAKU KANECHIKA」「Yutaka Kikutake Gallery」の4つのギャラリーが集結。国内外の最先端アートに、より身近な環境で触れることができます。また、6階にオープンするミュージアム「CREATIVE MUSEUM TOKYO」では、アニメ、マンガなどのポップカルチャーや現代アート、デザインなどをテーマとした展覧会が開催されます。

1階、2階の共用部では、戸田建設が取り組むアートプログラム「ART POWER KYOBASHI」の一環として、パブリックアートプログラム「APK PUBLIC」を展開。第一弾として、小野澤峻氏、野田幸江氏、毛利悠子氏、持田敦子氏の4名のアーティストによる作品展示が2026年3月まで行われます。

2階のレストランフロアには、和食と日本酒、伝統工芸品の食器や酒器が織りなす日本文化を発信する「和食日和 おさけと 京橋」が先行オープン。その他飲食店は2025年春以降に開業予定です。さらに、2025年初頭には、8階のオフィスフロア内に戸田建設グループのミュージアム「TODA CREATIVE LAB “TODAtte?(トダッテ)”」が一般公開予定。建設業を通して人々の生活を支えてきた戸田建設が2050年の未来像を描くゾーンなど、見て、触って、体験できる展示が楽しめます。

江戸時代から続く歴史があり、東京駅、銀座、日本橋からもほど近い京橋。最先端アートの発信地として、新たな魅力が生まれた注目のまちへ、いち早くお出かけしてみませんか。

「京橋彩区」の街区全体イメージ。左がミュージアムタワー京橋、右がTODA BUILDING ©株式会社日建設計

1階 エントランスロビーイメージ

TODA BUILDING 広場イメージ

CREATIVE MUSEUM TOKYO エントランスの様子

3階 ギャラリーコンプレックス イメージ

TODA BUILDING 外観

Gallery & Bakery Tokyo 8分 メニューイメージ

元インターナショナル・スクールを活用した美術館で最高峰の現代アートを体験 ─ UESHIMA MUSEUM

2024年6月に開館したUESHIMA MUSEUMは、現代アートコレクターである植島幹九郎氏が設立したUESHIMA MUSEUM COLLECTIONの所蔵作品を紹介する美術館。2024年12月末までオープニング展が開催されており、700点超のコレクションの中から厳選された現代アート作品を鑑賞することができます。

UESHIMA MUSEUMは、渋谷にあるMIYASHITA PARKのほど近く、植島氏の出身母体でもある渋谷教育学園の敷地内にあり、元はブリティッシュ・スクール・イン・東京だった建物を丸ごと美術館としてリノベーションしています。階段や渡り廊下も含めた建物全体が展示空間になっており、各展示室には専用のQRコードで出入りできるようになっています。

展示フロアは地下1階から6階までの7フロアで、現在展示フロアとして公開されているのは5階まで。体育館だった空間をホールにした地下1階には、植島氏が現代アート作品を収集するきっかけとなったドイツ出身の現代アートの巨匠、ゲルハルト・リヒターの作品をはじめ、世代を超えたアーティストによる平面作品が展示されています。1階、2階は、ライアン・ガンダー、ルイーズ・ブルジョワ、池田亮司、オラファー・エリアソン、名和晃平、塩田千春、チームラボ、村上隆など、国際的に活躍する同時代のアーティストたちの作品を、作家ごとに区切られた空間で鑑賞することができます。

特に2階では、アーティストの豪華な顔ぶれだけでなく、作品の多種多様な表現や、作品に没入できる展示手法にもぜひ注目してください。たとえば、鹿やオシドリなど動物の剥製を無数のビーズで覆った名和晃平の「PixCell」シリーズや、光を遮断した小部屋に入り、色の差異の消失を体験するオラファー・エリアソンの「Eye see you」、渡り廊下だった細長い空間に作品がズラリと飾られ、音響と映像に没入できる池田亮司の映像作品「data.scan」など、現代アートのコアなファンでなくても作品の意図に思いを馳せたり、心躍る時間が過ごせたりするはずです。

3階では、今津景、近藤亜樹など、30~40代の日本人女性作家を中心とした絵画を紹介。同時代に生きていてもそれぞれ見ている風景や心象が異なることを、彼女たちのまなざしを反映した作品を通じて感じてください。4階では、「変わるもの、消えゆくもの」をテーマにした作品を展示。部屋の中を飛行機が飛び交うさわひらきの映像作品や、ナフタリンを用いた宮永愛子の彫刻作品など、消えゆくものの儚い美しさが印象的な作品を鑑賞することができます。5階では、1960年代から今日まで60年以上精力的な活動を続ける画家、松本陽子の大型作品が展示されています。

今後は教育機関との連携なども見据えているという植島氏のコレクションテーマは「同時代性」。作品が伝える現代社会の「いま」を捉え、未来を育む学校という場でよりよい未来を想像する、そんなここならではの特別な体験をしてみませんか。

元は体育館だった地下1階展示フロア

左の作品は、名和晃平「PixCell-Sharpe's grysbok」2023年

オラファー・エリアソン「Eye see you」2006年

池田亮司「data.scan [n°1b-9b]」2011 / 2022年

宮永愛子「くぼみに眠るそら- 寝虎-」2022年

1階エントランス。壁面に展示されている作品は、名和晃平「PixCell- Deer #40」2015年

ミュージアム外観。ブリティッシュ・スクール・イン・東京が利用していた建物を「渋谷教育学園 植島タワー」としてリノベーション

アートウィーク東京

開催期間 2024年11⽉7⽇(⽊)〜11月10⽇(⽇)
URL アートウィーク東京

TODA BUILDING

住所 東京都中央区京橋1-7-1
アクセス 東京メトロ銀座線「京橋」駅6番・7番出口より徒歩3分
東京メトロ銀座線「日本橋」駅B1出口より徒歩5分
JR線「東京」駅八重洲中央口より徒歩7分
URL TODA BUILDING

UESHIMA MUSEUM

住所 東京都渋谷区渋谷1-21-18 渋谷教育学園 植島タワー
アクセス JR線、東急線、京王井の頭線、東京メトロ銀座線・半蔵門線・副都心線
「渋谷」駅宮益坂口より徒歩10分
URL UESHIMA MUSEUM

営業時間・定休日・料金等の最新情報については公式ウェブサイトでご確認ください。

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