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私の東京ガイド

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作成日:2024年8月26日

世界中の美食が集う街、東京。中でも今注目のジャンルが、ビジネス街に続々登場している「イノベーティブ・フュージョン」。和・洋・中など各国料理の要素を融合させた、独創的な料理が特徴の最先端グルメです。今回は、国際色豊かな街で話題の3店舗をご紹介します。

名店の鮨と各国のうまいものを堪能する極上の3時間 ── 浩也 東京前

鮨好きがこぞって通う浜松町の名店「鮨 浩也」の大将だった本橋拓也さんが、同じ浜松町に立ち上げた「浩也 東京前」。隣接する「立喰い鮨 浩也」と合わせて、2024年3月にオープンしました。

「東京前」という店名には、「江戸前」の漁港だった歴史を持つこの地で、新たな挑戦をする決意が込められています。その名のとおり、現代の東京ならではのスタイルで伝統的な鮨を楽しむことができ、早くも食通の舌を唸らせています。

「鮨屋の看板は降ろした」と本橋さんが言うように、こちらでいただけるのは、和食をベースにフレンチ、イタリアン、中華など各国の要素を取り入れた「イノベーティブ・フュージョン」をテーマにしたコース料理。鮨はその一品として供されます。ある日のメニューは、贅を極めたたっぷりのウニとトリュフを加えたとうもろこしのすり流し。赤ピーマンに干し貝柱、酒粕を再発酵させた日本酒を合わせたソースでいただく、炭火が香る鴨肉のロースト。苦味のある稚鮎と黄ニラは、燻製にしたオリーブオイルとボリビアの岩塩を添えた軽い食感の春巻きに。締めには、鮨屋の味噌汁ならぬ、出汁を飲むラーメンが登場します。

そして鮨。粒感が際立つ硬めのシャリは、赤酢の量が多め。コースの流れを意識し、1貫のインパクトを残すようバランスを調整しているそう。空気を含んだシャリにずっしりと載せた大トロは、まさに絶品です。「鮨屋」ではないけれど、肩書は「鮨職人」にこだわる大将の鮨を心ゆくまで味わいましょう。

約3時間のコースで提供される料理は20品ほどで、鮨は8貫か9貫ほど。利き酒師でもある本橋さんが選ぶ、日本酒を中心としたさまざまなお酒が約8種楽しめるペアリングコースもあります。コースの流れに決まりはなく、定番メニューもない、一期一会の食との出合いを楽しむ至福の時間です。

「心がけているのは旨味を"引き立てる"引き算のお料理。余計な味つけはしません」という本橋さんの言葉どおり、素材そのものの濃い味わいが前面に打ち出され、噛みしめるごとにうまみが広がる一品一品を味わえば、その言葉にも納得せずにはいられないはず。

東京ベイエリアの絶景を一望する特等席でイノベーティブ和食を ── 水色

2024年5月にオープンしたレストラン「水色」は、汐留の魅力を知るのに最適な場所。複合商業施設「カレッタ汐留」の最上階、46階と47階が吹き抜けになった開放感あふれる店内から、東京タワーやレインボーブリッジなど東京ベイエリアの絶景を楽しめるウォーターフロントの特等席です。

いただけるのは、「和魂洋才」をテーマに、伝統的な和食と世界各国の素材や調理法を融合させたイノベーティブ和食。ランチもディナーも、コース料理とアラカルトが用意されているので、用途に合わせて選ぶことができます。

料理の一例としては、5種類の素材からとった出汁にオリーブオイルを加えた「出汁オイルソース」でいただく鮮魚の炭火焼きに、フレッシュトリュフを添えた出汁巻き卵。和洋の季節野菜を使用したぬか漬けサラダには甘酒と柚子のドレッシングを加え、デザートには羊羹とチーズケーキを合わせた「羊羹フロマージュ」。さらには柚子や山椒のスパイスが香るオリジナルクラフトビールまで揃っています。

どのひと皿も、意外性にあふれた組み合わせでありながら、どこか懐かしくてほっとさせる味わい深さがあるのは、出汁にはじまる味つけや仕込みなど、ベースにある和食の丁寧な仕事が感じられるから。イノベーティブだけれど、日本人としての心も大事にする、まさに「和魂洋才」な料理の数々に出合えます。

114席ある店内には、水の泡をイメージしたガラスのオブジェを中心に、窓際のカップルシート、団体利用も可能なBOXシート、一杯飲みたいときのカウンターシートなどを配置。個室もあるので特別な日にもおすすめです。汐留ならではのゆったりとした時間と空間を堪能してください。

高層ビル群の中に佇む美術館内の穴場ダイニング ── カフェダイニング 茶楓 by 温故知新

「虎ノ門ヒルズ」「麻布台ヒルズ」などの大規模な再開発により、新たな人の流れが生まれた虎ノ門周辺エリア。そんな高層ビル群に囲まれた都会の真ん中に、そこだけひっそりと時間が止まったような場所があります。白壁に囲まれた敷地内に佇む白くモダンなビル内に、2024 年 4 月にリニューアルオープンした「カフェダイニング茶楓 by 温故知新」。現代陶芸を中心としたコレクションを展示する菊池寛実記念 智美術館に併設されています。

手がけるのは、国内各地で旅館やホテルを運営する「温故知新」で、各地域の生産者とのつながりを生かした作り手の顔が見える食材をセレクトしています。和の伝統や素材を生かしたカジュアルフレンチのランチやスイーツなど、たっぷりと味わうことができます。

ランチは、セットメニューのほか、前菜、スープ、メイン料理に、パン、デザート、ドリンクがついたコースメニューも用意。ある日の魚料理は、鯛のブレゼに、岡山「名刀味噌本舗」の甘味噌を加えたバターソースを合わせて仕上げた一品に。自家製ハムとピクルスの前菜に合わせたのは、京都「飯尾酒造」の玄米黒酢、岡山「鷹取醤油」の濃口醤油を使用したビネグレットソース。締めのデザートには、きな粉のソースを合わせたブランマンジェを。イタリアンや高級鉄板焼店、ホテルレストランなどで経験を積んだ料理長ならではの、自由な発想のひと皿がいただけます。

カフェメニューも充実しており、中でも「和のプリンア・ラ・モード」はSNSでも話題の人気メニュー。なめらかなプリンにごまと黒蜜ときな粉、白玉も添えた和洋のいいとこどりのスイーツです。大阪「心斎橋焙煎所」の自家焙煎コーヒー豆を使用したオリジナルブレンドコーヒーや、静岡「富士山まる茂茶園」の「和紅茶 笹葉紅茶」「ほうじ茶 丸火」など、ドリンクもこだわりのメニューが揃っています。

秋には赤く色づく楓の木と、静かな日本庭園を眺めながら食事やカフェが楽しめるのもこちらならではの魅力。訪れる人をゆるやかな空気で包み、とびきりの美食ともてなしで迎えてくれる、穴場スポットです。

浩也 東京前

住所 東京都港区芝大門1-4-4
アクセス 都営大江戸線、浅草線「大門」駅より徒歩3分、
JR山手線「浜松町」駅より徒歩4分
URL 浩也 東京前

水色

住所 東京都港区東新橋1-8-2 カレッタ汐留 46階・47階
アクセス 都営大江戸線・ゆりかもめ「汐留」駅より徒歩1分、
都営浅草線「新橋」駅より徒歩3分、
JR線「新橋」駅より徒歩4分、
東京メトロ銀座線「新橋」駅より徒歩5分
URL 水色

カフェダイニング 茶楓 by 温故知新

住所 東京都港区虎ノ門4-1-35
アクセス 東京メトロ日比谷線「神谷町」駅4b出口より徒歩約6分、
東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ」駅A2a出口、
東京メトロ南北線「六本木一丁目」駅改札口、
東京メトロ南北線・銀座線「溜池山王」駅出口13より徒歩約8分
URL カフェダイニング 茶楓 by 温故知新

営業時間・定休日・料金等の最新情報については公式ウェブサイトでご確認ください。

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