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青梅市観光協会が発行する「長淵山ハイキングコースMAP」を開いた様子

後編:初心者にもおすすめ! 青梅市 人気の宿坊&ハイキングの魅力とは(パンフレット発行元インタビュー #1)

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東京観光デジタルパンフレットギャラリー(以下当サイト)で掲載する多数のパンフレットの中から、特に気になる話題や観光スポットをピックアップ!
パンフレット発行元の方から直接その魅力を教えていただくシリーズです。

本記事は前後編の2本でお届けします。前編の記事はこちらからご覧ください。

 

今回は「東京の天空宿 御岳山宿坊ガイド」「長淵山ハイキングコースMAP」などを発行する、一般社団法人青梅市観光協会の吉田さんにお話を伺いました。

東京の西側、多摩川が流れる御岳渓谷や御岳山でもおなじみの青梅市。
人気のハイキングコースの見どころやおみやげ、青梅といえばの「梅」についてのお話を伺う後編です。

初心者にも優しい! 長淵山ハイキングコースの魅力

青梅市観光協会が発行する「長淵山ハイキングコースMAP」を開いた様子

長淵山は人気の低山ハイクにもぴったり

── 当サイトでアクセスが多かったパンフレットのひとつ、「長淵山ハイキングコースMAP」。イラストで描かれたマップがとても目を惹きますね。長淵山は青梅市の山の中では初心者向けのコースだとか。

長淵山のハイキングコースは手軽なんです。それなりに起伏と距離があって、眺望の良いところもあって。ハイキングコースに入るルートは複数あるんですが、マックスで歩くと3時間から3時間半くらいです。
御岳山もそうですが、青梅は低山が多いので、今流行りの低山ハイクが主流ですね。

── 最近は登山装備も揃えやすくなって、登山に手を出しやすくなったような印象もあります。

長淵山のハイキングコースは、本格的な登山の格好でなくてもある程度歩ける服装なら歩くことができる手軽さが良いところだと思います。

── 長淵山ハイキングコース一番の見どころは、やはり眺望が良い「赤ぼっこ」でしょうか?

やっぱりそこですね。コース内で一番高い場所で、見晴らしがいいため映画にも登場しました。撮影スタッフが機材を担いで上まで登り……。それもなかなか大変ですけど、まぁ低山なので、みたいなところはありますね。

青梅市の長淵山ハイキングコースにある「赤ぼっこ」の写真。コース内で最も高い場所にあり、大きくひらけた視界から青梅市内や周囲の山々を見渡すことができる。ベンチがあり、登山者が休憩に使っている。
長淵山ハイキングコースで最も眺めの良い「赤ぼっこ」。青梅市内や周囲の山々を見渡すことができ、休憩にもぴったり。

ハイキング初心者さんへのアドバイス

── ハイキングをこれから始めたい方へのアドバイスなどはありますか?

低い山だからとサンダルに短パンのような服装は危険。ある程度歩けるトレッキングシューズや長袖・長ズボンなどでお願いしたいです。それから気温が高い時期は水分をきちんと持っていただきたい。そこは必須ですね。

── 長淵山のコースを見た感じだと、途中にお水を買えるお店などはなさそうですね。

そうですね。御岳山だと上の方に行けばお店がありますが、水分は持ってから山に入っていただきたいです。
また、日が短くなると夕方から一気に暗くなってしまうんです。低山だから大丈夫だろうと大した装備もなく山に入り、急に暗くなって道に迷う方がいらっしゃいます。低山では遭難とまではいきませんが、滑落などの危険も伴うので、ある程度の装備と時間の余裕を持って出かけていただきたいですね。
それから、コースとなっている山中であっても野生動物と遭遇することがありますので、こちらも充分ご注意ください。

── 長淵山のハイキングコースで訪れて欲しい・見て欲しいポイントなどはありますか?

実は、長淵山ハイキングコースはどこへ行ってもいいんですよ! 歩きやすくて、適度な起伏があって。でもやっぱり赤ぼっこからの眺望は見て欲しいところですね。
あとは道標がきちんと整備されているところも初心者の方が歩きやすいポイントです。長淵山は定期的に市の職員が山に行って手直ししているんですよ。

青梅市の長淵山ハイキングコースにある道標の写真。常に見やすく整備されている。
長淵山ハイキングコースにある道標。常に見やすく整備されているため、登山中も安心。

もっと歩きやすいコースも! 電車でのアクセスや紅葉スポットにも注目

── 長淵山以外のおすすめハイキングコースはありますか?

青梅駅の北側に、青梅線に沿う形で青梅丘陵のハイキングコースがあり、そこも全体的に舗装されています(一部未舗装部分あり)。このコースは青梅駅からそのまま歩いて、次の宮ノ平駅に出ることもできます。ところどころ休憩所があるので、そこで折り返してまた青梅駅に戻っていただいてもOK。
こちらは赤ぼっこのように眺望が良い場所はありませんが、駅からのアクセスがよくて道も舗装されていますので、長淵山よりさらに手軽に、お散歩プラスアルファくらいの感覚でいいと思います。
もう少し西側には御岳渓谷の遊歩道があります。そこも多摩川の左岸が舗装されていてそれほど起伏もないので、どなたでも散策を楽しんでいただけるのかなと思います。
川沿いの散策コースは山より人気があるかもしれません。暑い時期にうれしい涼しげなところもありますし、秋には紅葉が綺麗。青梅市内の紅葉スポットというと、やはり御岳渓谷ですね。

御岳渓谷の遊歩道(御岳園地下流側)の様子。山の手前を多摩川が流れ、河川敷にコンクリートと石で舗装された遊歩道が見える。川の中や岸には人より大きな岩が露出し、その上で釣り人が糸を垂れている。
御岳渓谷の遊歩道(御岳園地下流側)
多摩川沿いの遊歩道から見た御岳渓谷の紅葉の様子。多摩川にかかる御岳橋の手前に真っ赤な紅葉がかかっている。
遊歩道から見た御岳渓谷の紅葉

── これからの季節は紅葉シーズンでの来訪も増えますが、青梅市内の紅葉スポットは他にどんなところがありますか?

多摩川沿いは意外と綺麗かもしれません。例えば吉野梅郷にかかる神代橋の上流下流ですとか、もう少し下流の亀の井ホテルのちょうど下流側にある釜の淵公園の紅葉も綺麗です。

青梅市内の神代橋から眺める紅葉と多摩川の様子。川の両岸の木々が黄色やオレンジに色付いている。
神代橋から眺める多摩川の紅葉。

新商品のお知らせも? 青梅みやげと青梅の「観る梅」「食べる梅」

青梅市観光協会が発行する、「青梅みやげ」パンフレットが机に置かれた写真

開発中の新商品! 観光協会こだわりのコーヒー

── 青梅市内のおみやげが販売店とともにまとめられた「青梅みやげ」も人気が高いパンフレットです。
定番ですと「青梅せんべい」、青梅ブルーとして打ち出されている「青梅縞」という藍染の織物、他にも市内に工場がある「ホットマン」さんのタオルなどが有名ですが、この他にイチオシの商品やおすすめなどはありますか?

青梅市観光協会でコーヒーを開発していまして、販売中の商品が2種類あります。
高水ブレンドは、高水三山で受け継がれている獅子舞がモチーフ。パッケージに描かれているのがその獅子舞です。
もう一つが射山渓(しゃざんけい)ブレンド。御岳渓谷は昔、山を射るように川が流れている様から「射山渓」と呼ばれていました。パッケージに筏(いかだ)が描かれていますが、青梅の奥で切られた杉の木(今の多摩産材にあたる木材)を江戸に運ぶため、筏に乗せて川を下る様子を絵にしたものです。
実は我々でブレンダーさんにお願いして、何杯も飲んで味を決めました。違いも結構あって、高水ブレンドは割と濃いめのガツッとした味、射山渓ブレンドはすっきりした味わいなんです。

青梅市観光協会が開発した「御岳珈琲」射山渓ブレンドと高水ブレンドのパッケージ。クラフト調の紙パッケージにスタンプで押したようなイラストがプリントされている。
御岳珈琲のパッケージ。左から射山渓ブレンド、高水ブレンド

こちらは発売から1年が経ち、現在新たにもうひとつ開発中なんです。
開発中の味は、この記事が出る頃には発表になっているかと思いますが、「雪おんなブレンド」と言います。
小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の「雪おんな」という物語がありますが、実は青梅にゆかりがありまして。
物語の序章で雪おんなを見たところとして「西多摩郡の調布村」というのが出てくるんですが、今でいう調布市のことではなく、青梅市の川の向こう側の長淵地区が昔調布村という名前で、そこのことなんですね。

── 先程の長淵山ハイキングコースがある長淵地区ですか?

そうです。みなさん意外と知らないのですが、多摩川にかかる調布橋には雪おんなの碑もあるんですよ。
秋から小泉八雲にまつわるドラマも放映開始となることから、この雪おんなにちなんだコーヒーを作ることになりました。もうまもなく納品されるところまで来ていて、既存の味もこのタイミングで増産しますよ。

青梅市内の調布橋にある「雪おんなの碑」の裏側の写真。作者である 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の肖像と「雪おんな」の冒頭の文章が記されている。
調布橋にある「雪おんなの碑」には、作者 小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の肖像と「雪おんな」の冒頭の文章が記されている。

「梅」の名前と観光の課題

「地域の名産品」を作りたいというのは観光の課題でもあるんです。青梅という名前ながら、青梅には実は梅味や梅そのものにまつわるお土産があまりないんですよ。「梅の里」と言いながら、梅の商品があまりないのはちょっと寂しいかなと思っています。

── 青梅市さんで「梅」というと、食べられる梅の実より観梅が主体ですね。

観梅用の梅にも実はなるんですが、採る手間をかけられないですし、純粋に梅を生業としている梅農家はほとんどいないと思います。咲いている梅は観梅のためという位置付けに重きを置いている気がします。

再植栽から10年、吉野梅郷再生プロジェクトの今

── 青梅の観梅といえば吉野梅郷が有名です。以前梅の木がプラムボックスウイルスにかかって全て伐採され、現在は再生に向けて奮闘されていますね。

あまりネガティブなことは言えませんが、最盛期の梅郷の姿を知っていると、まだ寂しい状況です。再植栽された木も幼木を植えたわけではなくて、2〜3mほどの成木に近い状態で植えていますが、当時ほどの枝ぶりにはなっていないですね。
今年は再植栽を国から認めていただいてからちょうど10年という節目の年。完全復活まではまだ少し時間がかかりそうですが、本数はかなり増えてきています。2月末から3月中旬が見頃なので、ぜひお越しください。

伐採前の吉野梅郷の写真。青空の元、起伏のある公園内に白梅・紅梅が大量に咲き誇っている。
伐採前の吉野梅郷の様子。

ちなみに吉野梅郷周辺のもう一つの見どころが「里の梅」。公園の周辺の住宅地にも梅がかなり植えられているんです。公園で楽しむのもいいですが、吉野地区を散策していただくと、あちこちで梅をお楽しみいただけると思います。

青梅市観光協会が発行する、「吉野梅郷ノ図 オープンガーデンマップ」パンフレットが机に置かれた写真
吉野梅郷周辺には多数のオープンガーデンも。

青梅市観光とパンフレットのこれから

青梅市観光協会が発行する、「東京の天空宿 御岳山宿坊ガイド」などの観光パンフレットが机に置かれた写真

都心からのアクセスの良さこそ青梅市観光の魅力

── いろいろお伺いしてきましたが、最後に青梅市の観光全般について伝えたいことはありますか?

一番売りにしたいのは、青梅市が東京都内であるということです。

新宿から電車で90分ほど、御岳であれば2時間ほどで、自然豊かで都会とは全く違う風景が広がっていて、それでも東京の中であること。ここがポイントですね。
アクセスの良さが魅力なんです。

デジタル? 紙? 観光パンフレットへの思い

我々も、デジタルツールをもっと増やさなければと思う反面、どうしても青梅・奥多摩に来られるお客様の年齢層は比較的高めなので、紙媒体の重要性が捨てられないんです。世間的にもデジタルツールの重要性はみなさん理解しておられますが、どうやって浸透させていくが課題ですね。
まだスマートフォンをお持ちでない方は結構いらっしゃいますから、観光協会でも紙のパンフレットをご用意しますし、青梅と御岳の駅前にある観光案内所でも手に取っていただけるようにしています。
特に御岳駅前の観光案内所は、御岳山や御岳渓谷へいらっしゃる外国からのお客さまも多く、多言語版、特に英語版のパンフレットは充実させていますし、英語が話せるスタッフも常駐しています。
海外の方も、日本の方も、安心して青梅市にお越しください。

一般社団法人青梅市観光協会の吉田さんが青梅市の観光ポスターの前で観光パンフレットを持った写真
最後に人気のパンフレットやポスターと吉田さんの記念撮影。盛りだくさんのお話、ありがとうございました。

青梅市のパンフレットをチェックしよう!