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第53回 常設展はこんなに面白い

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 展覧会は、企画展と常設展に大別されます。企画展は話題性が高いのに対し、常設展は料金が廉価で、比較的、混雑していないことなどが魅力です。しかも、大型館の常設展は、国宝や重要文化財も鑑賞でき、かなりお得。いつ行っても満足させてくれるでしょう。今回は、上野の国立科学博物館と東京国立博物館の常設展を訪れます。

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フタバスズキリュウの復元骨格=国立科学博物館提供

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重要文化財の表慶館は、特別展開催時のみ入館できる=東京国立博物館

国立科学博物館で想像の翼を広げて

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野生獣のはく製が迫ってくるような「大地を駆ける生命」コーナー=国立科学博物館提供

 昨年度、過去最高の247万人の入館者を迎えたのが国立科学博物館(かはく)。自然史・科学技術史に関する国立唯一の総合科学博物館というだけあり、見どころも盛りだくさん。日本館と地球館の2つを駆け足で回っても、2~3時間は要します。HPの常設展の展示内容紹介ページにある「おたずねの多い展示」というリストから、「忠犬ハチ公」「月の石」など見たいものをチェックして回るのも手です。
 まずは日本館から。ネオルネサンス様式の日本館の中央は吹き抜けになっていて、白壁ドームと天井のステンドグラスの美しさに目を見張ります。最上階の3階は、日本列島の生い立ちと自然に関する展示。首長竜「フタバスズキリュウ」の復元骨格が、かはくの迫力の始まりです。日本に落ちてきた隕石コーナーも充実しています。
 2階で縄文人や弥生人など人間を復元した模型も登場します。約4万年前からの祖先の暮らしを、自然との関わりで見ていきます。
 1階は「自然をみる技」。文字通り、天球儀や地震計などがあり、和時計コーナーでは印籠時計など珍しいものも。
 フーコーの振り子を眺め、シアター36〇へ。球体の場内に入ると、360度全方位に映像が映し出され、浮揚感まで味わえます。思わず手すりにつかまる人も……。10分間の上映プログラムは月ごとに替わるので、飽きさせません。

 さて、次は2015年に展示が一部リニューアルした地球館へ。「地球生命史と人類」と、テーマのスケールはさらにアップ。「大地を駆ける生命」のコーナーでは、ヒグマやトラなど大型野生獣のはく製が何体も並び、パネルをタッチすると、その野生獣の映像が流れます。突然、轟音が……。大型スクリーンに、ヌ―の大群が逃げる様子が映し出されます。毎時5分間上映される映像は迫力満点。かはくに無数にあるはく製ですが、力強く生きていたんだという実感が湧いてきます。
 地下の「恐竜の謎を探る」では、竜盤類と鳥盤類の恐竜の標本が、場内狭しとダイナミックに並んでいます。これも世界の研究者の解説をタッチパネルで聞くことで、生きていた姿を想像できます。かはくは想像の翼を広げることが、楽しむ最大のコツかもしれません。そのためのツールも充実しており、かはくナビ(音声ガイド)は日、英、中、韓国語に対応しています。
 外に出ると、地球上に生息する最大の生き物、シロナガスクジラの実物大模型の大きさに圧倒されます。体長30メートルのクジラが泳ぐ海の広さを思うと、またかはくに来たいと思うのではないでしょうか。

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野外展示のシロナガスクジラ=国立科学博物館提供

秋の庭園開放の季節を迎える東京国立博物館

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秋の庭園開放

 日本最古の歴史を誇り、所蔵品数も日本一の東京国立博物館。日本と東洋の美術、考古などの文化財を有します。展示館も、本館、東洋館、平成館、表慶館、法隆寺宝物館、黒田記念館とあり、全ての館を回ろうと思ったら1日がかりです。定期的に開催されるボランティアによるガイドツアーに参加すると、限られた時間で見どころがつかめます。
 平日は、来館者の半数以上が外国人の日もあり、パンフレットは7カ国・8言語を常備、作品のデータは日・英2カ国語に対応しています。
 トーハクでは、常設展のことを「総合文化展」と呼び、一般の観覧料620円で、平成館や表慶館で行われる特別展を除いて全ての展示(常時約3千件)を見ることができます。展示は定期的に替わるので、お勧め作品名と場所が書かれた「本日の見どころ」という館内各所の表示が便利です。
 

 これからの季節は年に2回の庭園開放を迎えます(10月24日~12月3日)。本館北側にある庭園の池にはカモなど野鳥が訪れ、イチョウや紅葉が色付きます。5つある茶室も風情を増します。
 今年から、かはく、トーハク共に、金曜・土曜日の夜間延長が始まっています。重要文化財である表慶館や黒門のライトアップは、はっとするほど美しく、秋の夜長の上野の常設展探訪もお勧めです。

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本館の国宝室

 

更新日:2017年9月15日

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