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第49回 東京の夜は美術館で会いましょう

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 今年2月から、月末最後の金曜日に午後3時を目途に仕事を切り上げるプレミアムフライデーがスタート。仕事を終えた後の余暇を楽しむ動きが広がっています。東京国立博物館は4月から金曜・土曜を午後9時まで、国立西洋美術館と国立科学博物館は午後8時まで開館するなど、美術館・博物館も夜間延長が増えています。夜の美術館には、どんな楽しみがあるのでしょうか。

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スカイデッキからの夜景

4月28日、六本木

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N・S・ハルシャ《ここに演説をしに来て》(部分)2008年 アクリル、キャンバス182.9×182.9 cm(×6)Copyright MORI ART MUSEUM All Rights Reserved.

 プレミアムフライデーの4月28日(金)、午後3時過ぎ。六本木ヒルズ森タワー53階にある森美術館では、南インドの現代アーティスト、「N・S・ハルシャ展」を開催していました。ハルシャは、一枚の絵に何体もの人や動物を整然と描く作品などが有名です。ポスターにも使われた『ここに演説をしに来て』は、2千体以上の人や動物を繰り返し描きました。ハルシャによれば、「反復」には精神を鎮める効果があるそうです。
 鑑賞者は20代から30代らしき人が目立ちます。スーツ姿はあまり見られません。皆、熱心に見ています。
 午後6時。ハルシャ展のチケットで入館できる52階展望台「東京シティビュー」で開催中のマーベル展へ。マーベルは、米国のコミック社です。
 「オー!」。入った途端、歓声が上がります。シティビューという名の通り、都内が一望できるスポットでもあるのです。マーベル作品に登場する体長5mのアイアンマンも点灯。気分を盛り上げます。6時を回ると、仕事帰りの人も増えてきます。
 午後7時。屋上のスカイデッキに、夜景を楽しむ人が集まってきました。

 

 

アフター5は美術館で

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「N・S・ハルシャ展」の体験型作品《空を見つめる人々》

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マーベル展のアイアンマン=東京シティビュー

 森美術館と東京シティビューはプレミアムフライデーに、六本木ヒルズ内の対象飲食店を利用すると、入館料が500円安くなる割引券を配布しています。森美術館は2003年の開館当初から、「アート&ライフ」をモットーに、火曜日を除いて午後10時まで開館。美術館をアフター5の選択肢の一つとして、新しいライフスタイルを提案してきました。今では、午後5時以降の来館者は、全体の約3割を占めています。
 2007年には、国立新美術館、東京ミッドタウンの開業に伴い、サントリー美術館が相次ぎ開館。「六本木アート・トライアングル」を結成します。この地域のギャラリーも網羅した地図は、六本木のアート散策ガイドとして活用されています。こうした活動が、年に一度の祭典「六本木アートナイト」に発展します。夜を徹しての一大アートイベントには、毎年約70万人もの人がやってきます(今年は9月30日~10月1日に予定)。

広がって深まる鑑賞

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美術鑑賞してからショッピングも=六本木ヒルズ内

 森美術館広報担当の瀧保奈美さんは「夜10時まで開館しているので、夜景とショッピングと美術館、あるいは映画と美術館など、食事を含めた様々な楽しみ方がある。年間パスポートを利用して、同じ展覧会を再訪されるケースもある」と話します。
 プレミアムフライデー初日の2月24日夜、国立西洋美術館のスケーエン展の学芸員によるギャラリートークには、熱心に耳を傾ける仕事帰りの人が多数いました。身も心も解放される週末のひとときは、アートをじっくり鑑賞して、自分と向き合う時間にもなります。
 海外では大英博物館やルーブル美術館、メトロポリタン美術館などで、夜間開館が以前から始まっています。滞在期間の限られた観光客にとっても、オリジナル作品を鑑賞できる貴重なサービスです。
 東京の夜は美術館で――。そんな過ごし方がどんどん増えていきそうな予感です。

更新日:2017年5月24日

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