ホーム > 東京の楽しみ方 > 美術館・博物館 > アートでわかる more Tokyo > 第43回 東京パブリックアート探訪

第43回 東京パブリックアート探訪

ここから本文です。

数多くの美術館やギャラリーがある東京は、まさにアートの宝庫。絵画や彫刻、アンティークに伝統工芸品、仏教芸術から現代アートまで―。常に街のどこかで、あらゆる種類の展覧会を楽しむことができます。

しかし、東京には室内で鑑賞するアートだけではなく、青空の下で楽しめるパブリックアートもたくさんあるのをご存知ですか?今回は、そんな街なかのアートを巡る旅に出かけてみましょう。

「LOVE」ロバート・インディアナ

「雨に消える椅子」吉岡徳仁

■六本木
東京のパブリックアートを巡る旅は、六本木からスタートします。主要な美術館や有名ギャラリーが集まり、今や誰もが認める東京のアートエリアへと変貌を遂げた六本木。この街にも、たくさんのパブリックアートが潜んでいます。

最も有名な作品は、六本木ヒルズの66プラザに立ちはだかる巨大蜘蛛、ルイーズ・ブルジョアの《ママン》。誰も見過ごすことのできないこの作品は、待ち合わせ場所にもぴったりです。

けやき坂通りに向かって歩くと目に入るのは、吉岡徳仁の《雨に消える椅子》。このガラス製の椅子はちょうど水の中にガラス片を入れた時のように、雨の日にはその姿が消えたかのように見えます。

その他にも六本木ヒルズや東京ミッドタウン周辺では、国内外のアーティスト作品を数多く目にすることができます。

■渋谷
六本木からバス、あるいは電車に乗って渋谷に向かいましょう。あの有名なスクランブル交差点前のハチ公像、身体の半分が地中に埋まっているかのようなモヤイ像は、東京で知らない人はいない、渋谷の街のシンボルです。とはいえ、いつも人でごった返す人気の待ち合わせスポットのため、じっくり鑑賞するのは難しいかもしれません。

JR線と京王井の頭線を結ぶ連絡通路に向かって歩いて行くと、戦後日本を代表する芸術作品のひとつ、岡本太郎の《明日の神話》が見えてきます。2003年にメキシコで突如発見されるまで、何十年も所在不明だった横幅30mの巨大壁画は、2008年より渋谷駅に恒久展示されることとなりました。核兵器の惨事を表現したという作品は、1960年代後半の制作当時に作家が感じたであろう緊張感そのままに、絶え間なく行き交う多くの人々に向け、力強いメッセージを発しています。

■青山
賑やかな渋谷から少し歩くと、落ち着いた雰囲気の青山に到着。国連大学の隣には、岡本太郎のもうひとつの作品《こどもの樹》が設置されています。岡本作品らしい原始的なイメージと鮮やかな色はパワーに溢れ、文化やジャンル、時代を軽々と超えて人々に愛され続けています。

「明日の神話」岡本太郎

「植物になった白線」淺井祐介

■代々木
青山から表参道、原宿を通り、代々木公園へ歩いて行くことができます。代々木公園では、都内で有数の「見つけにくい」パブリックアートを探してみましょう。見過ごしてしまいがちですが、原宿門から公園に入った辺りで足元を気にしてみてください。

そこには、2011年後半に路上に完成した多数の白線からなる作品、淺井裕介の《植物になった白線@代々木公園》が見えるはずです。花と動物をモチーフにしたこの作品は、静かな草木と生き物の景色をそこに生み出しながら、訪問客を公園へと迎え入れます。

■新宿
今度はJR山手線に乗り、原宿から新宿に向かいましょう。駅から西に向かって10分〜15分ほど歩くと(または東京メトロ丸ノ内線に乗って西新宿駅で下車)、新宿中心部西にある複合施設、新宿アイランドに到着します。
このビルを特別なものとしたのは、大胆なパブリックアートプロジェクト。ジュリオ・パオリーニ、ジュゼッペ・ペノーネ、西川勝人といったアーティストの作品が楽しめます。そのなかでもひときわ印象的なのは、ロイ・リキテンスタインの《TokyoBrushstroke》2作品と、ロバート・インディアナの《LOVE》。インディアナは、4つの文字が上下2段ずつ積み重ねられた作品《LOVE》を、1960年代より世界各地で制作しています。

■霞ヶ関
新宿から丸の内線に乗って、霞ヶ関駅まで行ってみましょう。政府関連機関が密集する場所として有名なこのエリアに、パブリックアートは存在するのでしょうか?それでは高層ビル群にある霞が関ビルディングへ。1968年に完成したこの東京初の高層ビル前には、アルヴァ・ノトの活動名でも知られるドイツ人アーティスト、カールステン・ニコライの巨大な幾何学彫刻《polystella》が設置されています。鏡面の30枚の羽でできた多面体構成は周囲の風景を映しこみ、退屈とみなされがちなこのエリアに神秘的な感覚を与えるものとなっています。

■銀座
霞ヶ関から丸の内線で一駅の銀座は、昔から流行最先端のショッピングエリアです。週末には歩行者天国となる広い大通りを歩くと、「銀ブラ」と呼ばれる街歩きの楽しむことができます。

ここでは数寄屋橋交差点に立ち寄るのをお忘れなく。数寄屋橋公園内にある岡本太郎の優れた彫刻《若い時計台》※は、作品であるだけでなく時計台として今も時を刻み続け、夜になると美しくライトアップされます。道路を挟んで反対側、有楽町マリオンの壁面に並ぶ映画ポスターの間に設置されたからくり時計も、子どもから大人まで人々に愛される人気スポット。毎時間、音楽とともに愛らしい人形が現れ、道行く人を楽しませてくれます。
※2016年12月現在修理中

■新橋
銀座のすぐ近く、JR新橋駅前には、1945年に生まれた蒸気機関車「C11292SL」にちなんで名付けられたSL広場があります。立派な機関車は、日本の鉄道誕生100年を記念し、東京で最初の駅である新橋に設置されたものです。

この広場周辺には、身体障がい者のための募金箱にもなっている「愛のライオン像」や、太陽の光によって異なる表情を見せる「光の交番」など、他にも多くの芸術的な「街のオブジェ」を見つけることができるでしょう。

「polystella」

「Saw,Sawing」クレス・オルデンバーグ

■お台場・有明
最後に、新橋から新交通ゆりかもめに乗り、東京湾に浮かぶ人口島、お台場を訪れてみましょう。東京の素晴らしい景色が楽しめるのはもちろん、様々なアトラクションやアクティビティも豊富に用意されているお台場。他のエリアに比べて建築物が密集していないため、巨大なパブリックアート彫刻が一際目立ってみえるのも大きなポイントです。自由の女神のレプリカも見ることができますが、中でも記憶に残るアメリカン・ポップアートの巨匠、クレス・オルデンバーグの《Saw,Sawing》は、とにかく必見。問題解決のプロセスを表現しているという巨大なノコギリの彫刻が、東京ビッグサイト前の地中に突き刺さるさまは圧巻です。

東京にはこのようにたくさんのパブリックアートが、道に、駅に、公園に、そしてビルの脇に設置されています。今回はそのほんの一部をご紹介しましたが、街を歩きながら、次はぜひ自分の目でお気に入りのアート作品を発見してみてください。

更新日:2016年12月12日

観光スポット検索