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第39回 東京で人気のデザイン展示施設「21_21 DESIGN SIGHT」

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ロンドンの有名な博物館「デザイン・ミュージアム」をはじめ、世界にはデザインを専門に展示する施設が多数存在します。日本にもたくさんの美術館・博物館があるにもかかわらず、デザインに特化したものは多くはありません。しかし、世界のデザインミュージアムに勝るとも劣らない、そんな施設が実は2007年、東京都心部にオープンしています。今回はこの施設の紹介とともに、現在開催中の「土木」をデザイン的に捉えた展覧会にも注目していきます。

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【建物外観】Photo:Masaya Yoshimura

21_21 DESIGN SIGHT

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【サンクンコート】Photo:Masaya Yoshimura

1980年代、日本で数多くの美術館が建設されていた頃、三宅一生はすでにデザインミュージアムの必要性を唱えていました。その後2000年代初めに東京ミッドタウン計画が進行する中、デザインに特化した施設を立ち上げるチャンスが巡ってきたのです。

その結果生まれたのが2007年に開館した「21_21 DESIGN SIGHT」(トゥーワン・トゥーワン・デザインサイトと発音)です。異なる分野で活躍する3人のデザイナー、深澤直人(プロダクトデザイナー)、三宅一生(衣服デザイナー)、佐藤卓(グラフィックデザイナー)、そしてアソシエイトディレクターの川上典李子(ジャーナリスト)がディレクターを務めています。

名称は、英米の表現で優れた視力を意味する「20/20 Vision(Sight)」に「+1」を加え、「さらに先を見通すデザイン発信の場」という理念を表現したものです。安藤忠雄の設計による建築は、折り曲げられた一枚の巨大な鉄板のような外観。東京ミッドタウンのガーデンエリアに位置し、芝生のなかに優雅にたたずむ建築は、そのコンクリート構造の70%が地下に埋まっており、日本最長の複層ガラスが使用されています。中に入ると外観からは想像がつかない空間が広がり、地上階のエントランスと受付、地下階の2つのギャラリー、そして三角形の中庭(サンクンコート)によって構成されています。

ファッション、建築、伝統工芸品から雑貨まで、様々な企画展を約年3回開催しています。必ずしも完成した製品やグラフィックデザインのみを扱うわけではありません。「21_21 DESIGN SIGHTは、日常的な出来事やものごとに改めて目を向け、デザインの視点からさまざまな発信、提案を行っていく場として誕生しました」と紹介文にあるように、この施設の方針は、デザインがどのように日常生活と交わるのかを検証することにあります。

そのため、様々な活動の拠点として、柔軟に活かされる場所を目指しています。「時代が必要とするものや生活を楽しくする文化としてのデザインを、探す、発見する、つくっていく視点(sight)を備えた活動拠点」と言えるでしょう。

過去には「お米」や「チョコレート」といった身近なテーマから社会に目を向け、それらに関する新しい視点を提供しました。常に楽しく刺激的な展覧会やイベントが企画されており、多くの展示は体験型の展示のため、家族連れにもぴったりです。

「土木展」

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【土木展チラシ画像】

東京の街は常に工事中です。新しい百貨店が続々と建つ一方で、駅では拡張工事と改装工事が進行しています。2020年が近づくにつれ、この工事ラッシュはますますエスカレートしていくでしょう。
しかし、その背後にある技術や工夫について、私たちはどれほど知っているでしょうか?
「土木展」は、私たちの生活に欠かせない、素晴らしい土木技術の世界を紹介する展覧会です。

「土木」は、英語では「市民のための技術 Civil Engineering」と表現されます。英語の表現には科学的な響きがある一方、「土」と「木」からなる日本語の「土木」からは、私たちの日々の生活に根ざした、身近なものということを感じることができるでしょう。

特に東京のような大都市では、ダム・道路・トンネル・橋など土木インフラは、単に巨大な構造物であるばかりでなく、社会の土台を形作っているといえます。悲しいことに私たちは、災害時など自然によって崩壊したりダメージを受けたときに、初めて土木技術の存在に気づくことが多いかもしれません。しかし、土木技術は、私たちの生活を守り、さらに快適に過ごすため、常に私たちとともにあるのです。

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【展覧会会場写真】Photo:木奥恵三

2016年6月24日から9月25日まで21_21 DESIGN SIGHTで開催される「土木展」では、ダム・トンネル・消波ブロックといった土木技術がどのように機能しているのかを、多角的に、また魅力いっぱいに紹介しています。

会場では、まず実寸サイズの巨大なダンプカーの重機グラフィックが鑑賞者の目に留まります。展示のハイライトは、現在の渋谷駅街区の工事映像と過去の土木作業映像のアーカイブ、そして渋谷駅街区の工事現場で録音された作業音を音楽のように構成したものからなる「土木オーケストラ」です。

この展覧会を楽しむのに必要なのは、参加することです。いくつかの展示は実際に体験することができ、鑑賞者が水の流れる映像を足で堰き止めることができたり、会場に再現されたマンホールの中に入ることができたり、また「土木で遊ぶ:ダイダラの砂箱」では砂遊びを通して土木の設計者になることができます。

更新日:2016年8月19日

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