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第37回 東京でアジア美術と出会うには?

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東京のような超近代都市で、古代アジアの品々を目にすることは難しいのではないかと思う方も多いのではないでしょうか。東京にいながら、アジア美術と出会うには―?

昨年、シリアの世界遺産・パルミラ遺跡の一部が、イスラム過激派組織により破壊されるという痛ましいニュースがありました。古代より遺された遺跡が、一瞬にして破壊されてしまうほど儚いものだということ、そしてかけがえのないものだということを改めて知らされたのではないでしょうか。そうは言っても、多くの人にとって、これらの遺跡を気軽に訪ねることは難しいかもしれません。しかし、幸いにも東京にはアジア全域の文化遺物や美術工芸品を鑑賞するのにぴったりの場所があります。

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【東洋館 外観】

東洋館(東京国立博物館)

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【東洋館 1室<中国の仏像>】 ※定期的に展示替をしております

東京国立博物館の東洋館(アジアギャラリー)は、東京随一と言える2万点ものアジアの美術工芸品、考古遺物の所蔵を誇り、また、建物の近代的な外観は、そのコレクションと好対照をなしています。
東洋館は2013年に設備や照明、展示方法を一新する大改修を行い、リニューアルオープンしました。

膨大なコレクションは全てのフロアで国別にわかりやすく展示されており、まるでアジアを一周する旅行者のような気分になれます。1階の中国の仏像、地下1階のインド・東南アジアの秘宝を楽しんだ後は、階上の展示室にも向かいましょう。韓国、中央アジア、そしてエジプトなど、様々な地域の展示が楽しめます。

旅の道中にも驚きがいっぱいです。外から見ると高い建物のようには見えませんが、5階までフロアがあり、これらのフロアをらせん状にのぼっていきながら、まるで迷路のような展示室を順に巡ります。絨毯、陶器、書道、彫像など、各国の美術品との新しい出会いが待っていることでしょう。

また旅行カバン型の情報端末モニターが各所に設置され、情報を探す際にも旅行気分が味わえます。さらには占いコーナーもあり、アジアの歴史や文化を起源とする、様々な占いを体験することができます。現在のところ日本語だけですが、ガイドツアーも実施されています。
コレクションは常設展示ですが、随時展示替えを行っています。

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【東洋館 10室<朝鮮の陶磁>】 ※定期的に展示替をしております

特別展「黄金のアフガニスタン―守りぬかれたシルクロードの秘宝」

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【「牡羊像(おひつじぞう)」 1世紀 ティリヤ・テペ出土、金、アフガニスタン国立博物館蔵 ©NMA / Thierry Ollivier 】

また現在、東京国立博物館・表慶館でも、特別展「黄金のアフガニスタン―守りぬかれたシルクロードの秘宝」が開催されています※。重要文化財にも指定されている表慶館は、明治42年(1909年)開館の歴史ある建築で、美しいモザイク張りの床や中央のドーム型屋根は、一見の価値ありです。
※開催期間:2016年4月12日~6月19日

展覧会では、石碑、レリーフ、コリント式柱頭など、驚くほど良い状態で遺されたアフガニスタンの古代芸術品の数々が展示されています。見どころは、何と言ってもバグラム、ティリヤ・テペの墓で発掘された煌びやかな副葬品の数々。階上の展示室ではこれらの墓の発掘当時の写真などを展示しており、当時の考古学者たちが胸を躍らせたであろう、発見の驚きやアドベンチャー精神に思いを馳せることができます。

展示は見やすく構成されており、石像、黄金製品、象牙細工、ガラス製品など、数々の美術工芸品をその素材ごとに楽しむのもおすすめです。

この展覧会は世界各国を巡る国際巡回展ですが、最後の展示室は日本展のみのオリジナルです。日本画家の故・平山郁夫氏が設立した流出文化財保護日本委員会により救出された、アフガニスタンの「文化財難民」15点が特別展示されています。アフガニスタン内戦のさなか、多くの貴重な遺跡・文化財が略奪され、売却されて世界中に散逸してしまいました。そしてそのいくつかは、日本にも流入していました。そのため、いつかアフガニスタンに返還できる日が来るまで、それらの流出文化財を収集し、保護する努力が始められたのです。悲しむべきことに、今またシリアの文化財についても同じことが起きています。まさに時機にかなった展示と言えるでしょう。

さらにアジア美術に興味を持ったなら、上野の森美術館の「ブータン〜しあわせに生きるためのヒント〜」展にも足を延ばしてみましょう※。上野公園内にある美術館は東京国立博物館のすぐ近くにあります。
※開催期間:2016年5月21日~7月18日

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【「ゼウス神像左足断片(しんぞうひだりあしだんぺん)」 前3世紀 アイ・ハヌム出土、大理石、流出文化財保護日本委員会保管】

更新日:2016年5月30日

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