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第34回 出光美術館(八波浩一学芸課長代理)

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指月布袋画賛 仙厓 江戸時代 出光美術館蔵/「大仙厓展」(2016年10月1日~11月13日)に展示

出光美術館「指月布袋画賛」

皇居を望む美術館で味わう出光佐三のコレクション

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ロビー

出光美術館は、今からちょうど50年前の1966年、皇居のお濠に面したビルの9階に開館しました。出光興産の創業者である出光佐三が、自身が長年かけて収集してきた美術品を公開するために創設したもので、そのコレクションの歴史は1905年に遡ります。当時まだ19歳の学生だった佐三が、江戸時代の禅寺の住職、仙厓の描いた《指月布袋画賛》の微笑ましさに“一目惚れ”をして購入したのです。ユーモアあふれる書画で禅の教えを分かりやすく説いた僧侶として、今でこそ広く知られる仙厓ですが、当時はまだ地元・福岡で人気があった程度。同じく福岡出身の佐三が、いち早く目を付けて収集を始めることになりました。

《指月布袋画賛》を第1号とするコレクションは、佐三が実業家として成功すると共に本格化し、やがて中国陶磁や西洋絵画も加わっていきました。そんななかでも、佐三が生涯を通じて収集したのが仙厓作品で、サム・フランシスやジョルジュ・ルオーらの作品を購入する際も、「仙厓と共通する部分がある」という直感を大切にしたと言われています。そうして収集した、約1000件の仙厓作品を含む1万件のコレクションを公開する場所を探していた際、ちょうど完成したのがここ帝劇ビル。皇居を望むロビーには、「展示室を回ったあと、景色を眺めながら余韻に浸ってほしい」という佐三の願いが込められています。

開館50周年記念展に“アニメの元祖”絵巻が登場

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伴大納言絵巻(上巻部分) 平安時代 国宝 出光美術館蔵/「美の祝典Ⅰ」(2016年4月9日~5月8日)に特別展示

50周年を迎える2016年度、当館では6つの大規模な名品展を開催します。幕開けを飾るのは、「やまと絵の四季」(2016年4月9日~5月8日)、「水墨の壮美」(2016年5月13日~6月12日)、「江戸絵画の華やぎ」(2016年6月17日~7月18日)の三部から成る『美の祝典』。その目玉として、国宝《伴大納言絵巻》を10年ぶりに、上・中・下巻に分けて公開します。絵巻は通常、詞書と絵が交互に登場するものですが、本作の上巻には詞書がほとんどありません。何メートルにもわたって人の動きのみで構成される、“アニメーションの元祖”とも言われる作品ですので、アニメがお好きな若い方や海外の方にも楽しんでいただけることと思います。

名品展はその後、『東洋・日本陶磁の至宝』『大仙厓展』『時代を映す仮名のかたち』『岩佐又兵衛と源氏絵』『古唐津』と続きます。当館の企画展は、毎回切り口を変えながら出光コレクションを紹介するもので、他館から作品を借りてくることが滅多にありません。そのため、いつも同じ作品が展示されているような印象を持たれがちなのですが、この6つの名品展を全て見ていただければ、当館のコレクションが多岐にわたることをお分かりいただけるのではないでしょうか。また、『大仙厓展』には他館のコレクションも含めた仙厓の名品が勢ぞろいします。50周年のこの機会にぜひ、足をお運びいただければ幸いです。

Information

出光美術館
所在地 〒100-0005 東京都千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階
TEL 03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間 10:00~17:00(金曜は19:00まで) 
※『美の祝典』開催期間中は10:00~18:00
※入館は30分前まで
休館日 月曜日(祝日・休日の場合は開館)、展示替え期間、年末年始

おすすめミュージアムグッズ

■SENGAI風呂敷
2015年に登場したばかりの新作。仙厓の代表作《指月布袋画賛》などに描かれているモチーフが、風呂敷を結ぶとちょうど見える位置にちりばめられています。
▼各¥5,600(税込)

■仙厓クリアブックマーク
同じく仙厓の代表作からとったモチーフがちりばめられた、本に貼って剥がせる仕様の透明なしおり。2タイプあり、それぞれに6種類のしおりが3枚ずつ入っています。
▼各¥430(税込)

更新日:2016年2月25日

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