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第31回 原美術館(野田ユミ子広報担当)

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奈良美智《My Drawing Room》 2004年8月から 制作協力:graf Photo by Keizo Kioku

原美術館「パーマネントインスタレーション」

実業家の私邸だった建物で作品を展示

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原美術館 1階サンルーム(写真上)、外観(中庭、写真下)

当館は1979年、館長 原俊夫の「現代美術を介して国際交流をしたい」との思いから設立された、現代美術の専門館です。個人美術館というと、まずコレクションがあり、それを披露するための場所として設立されるのが一般的だと思いますが、当館の場合、まず目的があり、設立とほぼ同時に収集が始まりました。建物は原の祖父の私邸を改装したもので、展示室になっているのは、もともと客間や寝室だったスペース。そのほかに、見過ごしてしまう方も多いのですが、館内には実は、浴室などの小さな部屋を利用したパーマネントインスタレーション(常設作品)が点在しています。

そのひとつが、2階のいちばん奥にある、奈良美智さんの《My Drawing Room》。ここは邸宅だった頃はバスルームだったスペースです。当館で2004年に奈良さんの個展を開催したのと同時期に設置された作品で、個展の準備のために、奈良さんご自身が実際にこの部屋で制作をされていました。それ以降も奈良さんが時々いらしては手を加えていかれる、現在進行形の作品です。季節に合わせてクリスマスツリーや鏡餅が置かれたことも。ぜひ扉を開けて覗いてみてください。

作品を含めたひとつの空間として美術館を楽しむ

同じく見過ごされがちな2階のパーマネントインスタレーションに、宮島達男さんの《時の連鎖》と、須田悦弘さんの《此レハ飲水ニ非ズ》があります。前者は半円状のユニークな形をした男性用お手洗い、後者は写真が趣味だった施主が使っていた暗室と思しき空間と、どちらも邸宅だった頃のスペースを効果的に利用した作品。また後者には、邸宅が戦後、外国人に使用されていた時期に貼られた「This water unfit for drinking.」という貼り紙がそのまま残されており、1938年に竣工された建物の歴史も感じることができます。この貼り紙を発見した須田さんが、貼り紙の存在に心をゆさぶられ、書かれた言葉の日本語訳をそのまま作品タイトルにされました。

常設作品に限らず、年3回~4回開催される企画展でも、作家が実際に当館の空間を見た上で学芸員と展示を作り上げていくことがほとんどです。現代美術に対して「敷居が高い」というイメージを持っている方でも、元邸宅である建築の特性を活かした当館ならではの展示をご覧いただくことで、現代美術を身近に感じていただけたら幸いです。また、展示のほかにも、館内のカフェでは企画展にちなんだスイーツ「イメージケーキ」を、ショップではアートを生活の中に取り入れて楽しめる個性的なグッズをご用意しています。どちらも美術館に入館された方のみがご利用いただける施設になっています。展覧会を鑑賞した後は、館内のカフェやミュージアムショップでアートに触れながら、寛ぎのひとときをお過ごしください。

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須田悦弘《此レハ飲水ニ非ズ》 2001年

Information

原美術館
所在地 〒140-0001 東京都品川区北品川4-7-25
TEL 03-3445-0651
開館時間 11:00~17:00(祝日を除く水曜は20:00まで)
※入館は閉館の30分前まで
休館日 月曜日(祝日・休日の場合は翌日)、展示替え期間、年末年始

おすすめミュージアムグッズ

■オリジナルTシャツ:宮島達男“TIME LINK”
常設作品の宮島達男《時の連鎖》の文字盤が同じサイズでプリントされたTシャツ。購入時は全て「8」の状態ですが、付属の油性マジックで適宜塗りつぶして、好きな数字にカスタマイズすることができます。
▼¥3,240(税込)

■オリジナルフローティングペン
開館30周年を記念して作られた、収蔵作家の加藤泉とのコラボ文具。ペンの中で絵が動く6秒間のアクションからロゴまで、全て作家の描き下ろしによるデザインです。
▼¥900(税込)

更新日:2015年11月26日

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