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第24回 根津美術館(学芸部広報課・村岡香代子主任)

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国宝 燕子花図屏風 尾形光琳筆 6曲1双 江戸時代 18世紀 根津美術館蔵

根津美術館「燕子花図屏風」

尾形光琳の国宝を本物の花とともに

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銹絵梅図角皿 尾形乾山作・尾形光琳画 1枚 江戸時代 18世紀 根津美術館蔵

当館は、東武鉄道の社長などを務めた実業家、初代根津嘉一郎が蒐集した日本・東洋の古美術品コレクションを公開するために、息子である二代目嘉一郎により1941年に開館した美術館です。この土地はもともと初代の住居があったところで、今でこそ少し歩けばショッピング街が広がる場所ですが、初代が求めた当時は桑畑が広がっていたそうです。その後周囲はどんどん賑やかになり、空襲にも遭いましたが、初代が愛したこの地の地形は昔のまま。17000平方メートルに及ぶ広大な日本庭園は、美術品と並んで、根津美術館の大きな見どころです。

庭園のカキツバタが見頃を迎える4月~5月だけ、当館では毎年、尾形光琳の国宝《燕子花図屏風》を公開しています。江戸中期を代表する絵師・光琳の最初の到達点として、教科書にも載るほど有名な作品ですが、ぜひ実物の立体感と迫力を味わいにいらしてください。光琳の300年忌にあたる今年は、「燕子花と紅白梅―光琳デザインの秘密―」と題した特別展で、56年ぶりにMOA美術館所蔵の国宝《紅白梅図屏風》もあわせて展示中(2015年5月17日まで)。ほかにも、陶芸家の弟・乾山と合作した《銹絵梅図角皿》、さらに先達である俵屋宗達、本阿弥光悦などの作品まで、“デザイナー”としての光琳に迫る、華やかな展覧会となっています。

四季折々の景色が楽しめる日本庭園

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庭のカキツバタ

春になるとぐんぐんと音をたてるように伸びるカキツバタのほかにも、庭園には四季折々の花と樹々が植えられており、訪れる度に違った表情を見せてくれます。初代根津嘉一郎が特に気に入ったのは、中ほどにある池に向かって下がっていく、起伏に富んだ地形。園内には「根津美術館八景」と名付けた8つの見どころスポットや、石仏や神祠も点在しています。2006年から3年半をかけた新創工事の際、外周路を歩きやすいように改めましたので、草履をお召しの和装の方や、車いすの方と介助の方にも散策を楽しんでいただけます。

もうひとつ、4棟の茶室があることも庭園の大きな特徴で、これは初代が茶人でもあったことに由来します。茶道具は、多岐にわたる当館のコレクションのなかでも中核のひとつ。茶室は通常公開していませんが、6つの展示室のうち1室は季節ごとの茶道具を取りあわせた展示をしており、「燕子花と紅白梅」の期間中にも「燕子花図屏風の茶」を同時開催しています。これは、大倉男爵に《燕子花図屏風》を見せてほしいと請われた初代が、その披露とあわせてお茶を振る舞った茶会、「燕子花図屏風賞翫会」での取合せの一部を再現した展示。当館にお越しになる方にも、ぜひ屏風と茶道具、庭園をあわせてお楽しみいただければと思います。

Information

根津美術館
所在地   〒107-0062 東京都港区南青山6-5-1
TEL   03-3400-2536
開館時間  10:00~17:00 ※入館は16:30まで、2015年5月12~17日は19:00まで開館(NEZUCAFEでは17:00からグラスシャンパン販売)
休館日   月曜日(祝日の場合は翌日、「燕子花と紅白梅」展会期中は2015年5月4日を除く)、展示替え期間、年末年始

おすすめミュージアムグッズ

■《燕子花図屏風》グッズ
光琳の《燕子花図屏風》は館を代表する所蔵品となっているため、グッズも豊富。今年の新作、A5クリアフォルダをはじめ、試作に2年かけた刺繍ハンカチ(¥800、税込)、金地が豪華なグリーティングカード(¥700、税込)など、様々なグッズが並びます。
▼A5クリアフォルダ ¥250(税込)

■干支ピンバッジ
モチーフが全て所蔵品からとられているピンバッジのシリーズ。虎から作られ始め、現在は重要文化財でもある青銅器、《双羊尊》をモチーフにした“未”まで販売されています。
▼<未>¥2,000(税込)

更新日:2015年4月24日

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