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第20回 郵政博物館(本間与之学芸員)

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神田須田町郵便局カウンター

郵政博物館「神田須田町郵便局カウンター」

切手約33万種と多くの実物資料を展観

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『切手』ノ世界

郵政博物館は、郵便と通信の歴史や文化を紹介する博物館です。日本における近代郵便は、明治政府が近代化に向けて行った様々な試みのうちのひとつとして、1871年に創業しました。「切手を貼ってポストに入れれば手紙が届く」というのは、当時としては画期的なシステム。その実現のため、全国各地に郵便役所と郵便ポストが設けられました。当館の常設展示ゾーンでは、かつての郵便役所の様子を捉えた写真や絵図、またポストや郵便車などの実物資料や模型等によって、その歴史を詳しく紹介しています。「神田須田町郵便局カウンター」は、昭和初期から1988年まで、東京の同局で実際に使用されていたカウンター。切手という金券を扱うため、当時の銀行などと同様に窓口には柵が設けられ、まだ現在のような防犯設備が整っていなかったことが窺えます。

同じく常設展示ゾーンにある「『切手』ノ世界」は、当館を象徴するコーナー。古今東西の切手を引き出し式パネルで展観しており、約33万種という点数は日本最大です。その中で東京にまつわるものといえば、やはり東京オリンピックの記念切手。「日本 普通・特殊切手 J1-14」のパネルを引き出していただくと、競技で使われた施設や聖火が描かれた「第18回オリンピック競技大会記念」、選手をモチーフにした「オリンピック東京大会にちなむ寄附金つき郵便切手」など、何種類かがご覧になれます。ほかに、東京の街並が描かれた切手などもありますので、ぜひ色々なパネルを引き出して探してみてください。

日本橋に建てられた壮麗な東京郵便役所

当館の起源は、木挽町(現在の銀座)に「郵便博物館」が開館した1902年にまで遡ります。その後何度かの移転と改称を経て、2014年3月、東京の新名所である東京スカイツリータウン内に「郵政博物館」としてオープンしました。館内で展示できる数には限りがあるため、常設展示ゾーンは切手と資料が中心ですが、長い歴史の中で絵画や版画などの美術品も数多く収蔵しています。その中には東京にまつわるものもあり、歌川国利の錦絵『東京自慢十二カ月内睦月元日の賑ひ』もそのひとつ。描かれているのは明治時代の日本橋で、画面左上には「郵便局」と示された建物を認めることができます。

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歌川国利「東京自慢十二カ月内睦月元日の賑ひ」 郵政博物館蔵

日本橋は、郵便創業当時から、東京郵便役所が置かれていた場所です。とはいえ、当初は旧幕府の納屋役所を改造しただけの簡素な建物で、ここに描かれた壮麗な庁舎が完成したのは1874年のことでした。庁舎正面には大きな時計が据えられ、西洋風の時計が普及していなかった当時、時計を見るためだけに訪れる人も多かったと伝えられています。同じ建物を三代目歌川広重が描いた錦絵『東京府下名所尽四日市駅逓寮』もまた、当館の所蔵品。こうした美術品は随時、企画展示コーナーなどで公開していく予定です。

Information

郵政博物館
所在地   〒131-8139 東京都墨田区押上1-1-2
東京スカイツリータウン・ソラマチ9階
TEL   03-6240-4311
開館時間  10:00~17:30 ※入館は17:00まで
休館日   不定休、年末年始(今年度は12月29日~1月2日)

おすすめミュージアムグッズ

■未使用日本切手
少額の未使用切手が箱いっぱいに詰め込まれ、一律1枚30円で販売されています。東京オリンピック記念切手など掘り出し物も多く、真剣に選び始めたら数時間はかかりそう。
▼1枚¥30(税込)

■オリジナル絵はがき
絵はがきの品揃えは100種類以上。こちらはレトロな絵柄が並ぶ、館オリジナルの絵はがきです。ショップ内には出張ポスト「ポスツリー」があり、ここから投函することも可能。
▼1枚¥100/5枚セット¥450(共に税込)

更新日:2014年12月25日

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