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第13回 相撲博物館(中村史彦学芸員)

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歌川国郷画「両国大相撲繁栄之図」

相撲博物館「両国大相撲繁栄之図」

両国を舞台に発展してきた相撲

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絵はがき「旧両国国技館」

日本の国技といわれる相撲は、古くから街中のあちこちで行われていた伝統文化です。人々が多く集まるところでは危険が伴うということで禁止令がしかれ、橋の建設や寺の修復といった名目で幕府の許可を取って行われるようになったのが、江戸時代初期のこと。そうした「勧進相撲」は全国で行われていました。 江戸中期になると、相撲を職業とする人々が「相撲会所」を組織し、興行として行うようになります。東京では深川(現在の江東区)、蔵前(台東区)、芝(港区)あたりの神社の境内で相撲が開催されました。そして江戸時代の後期になると、盛り場として繁栄していたここ両国(墨田区)が会場として定着しました。当時の人々はスポーツというより、歌舞伎と同様に娯楽として楽しんでいたようです。

江戸後期に描かれた『両国大相撲繁栄之図』を見ると分かる通り、江戸時代の相撲は屋外で行われていました。そのため天候に左右され、日程が安定しないという興行上の問題を解決したのが、明治42年に造られた旧両国国技館。東京駅と同じ辰野金吾の設計で、当時は「東洋一の大空間」と謳われたといわれています。江戸時代の相撲は基本的に男性が見るもので、土俵の近くは庶民の席でしたが、この頃には女性も当たり前に訪れ、土俵近くには現在と同じように、「マス席」が設置されて富裕層が座るようになっていました。その後この旧国技館は、何度か火事に遭い焼失していますが、その度に同じ場所に建て替えられ、「相撲=両国」というイメージはさらに強固なものとなっていったのです。

国技館の中にある博物館

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三代豊国画「大相撲横綱鏡」

戦後、旧国技館が進駐軍に占領されると、国技館は台東区の蔵前に置かれるようになりますが、1985年には両国に戻ってきました。旧国技館と同じ場所ではありませんが、「相撲=両国」という江戸時代以降のイメージが尊重された形です。そして、1954年に蔵前国技館内に創設され、国技館とともに両国に移転してきたのが、当博物館。相撲を描いた錦絵、番付表などの資料、力士の手形など、約3万点を所蔵しています。展示室が狭いため常設展はなく、年6回さまざまなテーマで企画展を行っていますが、今回ご紹介した『両国大相撲繁栄之図』は頻繁に公開している人気作品のひとつ。描いたのは浮世絵師の歌川国郷で、署名がのぼりの中に入っているところに、江戸らしい粋が感じられます。

現在開催中の「江戸時代の横綱と雷電」(6月20日まで)は、このたび誕生した鶴竜で71代を数える「横綱」の初代~12代と、大関でありながら史上最強の呼び声も高い力士、雷電を紹介した企画展。三代豊国が描いた『大相撲横綱鏡』や、1789年に初めて授与された「横綱免許状」などを展示しています。このように相撲は、単なるスポーツではなく、日本美術や歴史と深い関わりを持った文化。相撲を知ることは他の分野に関心を持つきっかけにもなると思いますので、ぜひいろいろな企画展を見にきてください。

Information

相撲博物館
所在地   〒130-0015 東京都墨田区横網1-3-28 両国国技館1階
TEL   03-3622-0366
開館時間  10:00~16:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日   土曜、日曜、祝日、展示替え期間、年末年始
  (東京本場所中は毎日開館、ただし大相撲観覧者のみ見学可)

おすすめミュージアムグッズ

■相撲トランプ
表面に力士の写真と名前、裏面に国技館内の風景が描かれたトランプ。海外へのお土産として人気のアイテムです。
▼¥1,300(税込)
■角力チョコ
横綱(2体)、力士(10体)、行司(1体)、呼出(1体)をかたどった、植物油脂不使用の本格派チョコレート。
▼¥1,300(税込)
両国国技館グッズ売り場にて購入できます。

更新日:2014年5月23日

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