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第9回 東京国立近代美術館フィルムセンター

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『紅葉狩』(35㎜可燃性デュープネガ・フィルム、342フィート13コマ)

東京国立近代美術館フィルムセンター常設展「日本映画の歴史」

映画を生んだ東京、映画に映された東京

当センターは、国内外の映画フィルムと関連資料を収集・保存・復元し、それを公開している、日本で唯一の国立映画機関。2つの上映ホールに加えて展示室と図書室を備えており、常設展では約300点の資料を通じて、「日本映画の歴史」をご紹介しています。日本映画は主に東京と京都を舞台に発展してきました。写真、シナリオ、ポスター、記録映像のほか、かつての東京の映画館のプログラムからも構成された常設展は、映画産業が発展した20世紀の東京も感じられる内容になっているのではないかと思います。

西洋で発明された映画が日本に渡来したのは、1897年のこと。日本人が撮影したものとしては、1899年に銀座の歌舞伎座裏で撮られた『紅葉狩』が現存する最古の映像で、この展示室ではビデオモニターでご覧になれます。1912年には、4社の映画業者が統合して「日活」となり、東京の向島(墨田区)に日本初の本格的な撮影所が設営されました。1920年に登場し、日活のライバルとなったのが「松竹キネマ」で、こちらは当初東京の蒲田(大田区)に撮影所を構えます。1923年の関東大震災で向島撮影所は閉鎖され、日活は京都での撮影を余儀なくされますが、その関東大震災の様子を捉えた記録映像「関東大震大火実況」の抜粋もまた、常設展の展示品の一つ。甚大な被害を被った様子を映した1時間ほどの映像を、6分ほどのダイジェストにして常時公開しています。

東京を舞台にした名作、小津安二郎の「東京物語」

第二次世界大戦を経た1950年代、映画は戦前の隆盛にも増して、娯楽の王者としての地位を確立していきます。そんな日本映画黄金期に生まれた、東京を舞台にした名作といえば、小津安二郎監督の代表作「東京物語」。物語は、年老いた夫婦が子どもたちを訪ねて東京を旅行するというもので、劇中には銀座通りを観光するシーンも登場します。公開が1953年ですから、映っている銀座は、戦後の復興が軌道に乗り始めた頃でしょう。小津は自身にとって身近な場所を好んだのか、生地の東京を舞台にした作品を他にも多く残しています。

小津作品には、一見穏やかなホームドラマの中に視覚的な面白さが詰まっており、その独特の話法や画面構成は、今も世界中の映画作家に影響を与え続けています。常設展の展示品はすべて英語のキャプション付きですし、「東京物語」公開当時のポスターやシナリオなども展示していますので、世界の小津ファンの方にも喜んでいただけることと思います。(岡田秀則主任研究員)

Information

東京国立近代美術館フィルムセンター【展示室】
所在地   〒104-0031 東京都中央区京橋3-7-6
TEL   03-5777-8600(ハローダイヤル)
開館時間  11:00~18:30 ※入館は閉館の30分前まで
休館日   月曜日、展示替え期間、年末年始

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所蔵品には国内だけでなく、海外映画の資料も。こちらは1910年代のヨーロッパ映画のフィルムという、世界的に見ても貴重なコレクションをポストカードにしたもの。
▼各¥100
■NFCニューズレター
年6回、隔月で発行されているフィルムセンターの機関誌。企画展に関連した特集記事、上映作品の解説、映画史研究の成果発表などが掲載されています。
▼¥300
※価格は全て税込み。消費税増税に伴い変更になることがあります。

更新日:2014年3月4日

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