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第4回 アド・ミュージアム東京

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江戸「駿河町越後屋呉服店」と美人初春図 初代国貞・画

アド・ミュージアム東京「江戸時代の錦絵」

江戸商人の発想に見る広告の原点

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けいせい大淀 市川升之丞(国貞・画 仙女香広告入り)

当館は2002年、日本初の広告とマーケティングのミュージアムとしてオープンしました。常設展では、江戸期から現代までを時代で区分し、それぞれを象徴する広告を数多く展示しています。収蔵している広告メディアは、ポスターや新聞・雑誌だけでなく、江戸時代のユニークな店頭看板から最新のCMまで実にさまざま。また、「広告は時代の合わせ鏡」をコンセプトに、関連資料や当時流行した商品なども併せて展示していますので、広告の歴史を通して東京の文化史も感じていただけるのではないかと思います。

常設展の入口となる江戸期は、広告前史というべき時代ですが、商人たちの発想は驚くほど現代と変わっていません。錦絵にさりげなく店名や商品名を描き込ませたり、絵双六やうちわを景品として配ったり、歌舞伎の幕間に“生コマーシャル”のような口上をしてもらったり。特に、今でいうチラシにあたる引札(ひきふだ)を開店時に50万枚も配り、錦絵の宣伝効果を巧みに利用した「越後屋」は、世界的に見てもマーケティングの元祖といわれています。粉おしろいの「仙女香」もまた、巧みな戦略で知られる商品。“どこにでも面を出す”と揶揄されるほど、錦絵や草双紙などあちこちに登場しています。そのさりげない描かれ方に、粋でおしゃれでないと人々に受けない江戸らしさが感じられますね。

広告は時代の合わせ鏡

明治時代になると活版印刷が普及し、新聞・雑誌が新たな広告メディアとして定着、広告はマスメディアの時代に突入します。大正時代には、グラフィックデザイナーやクリエイティブディレクターの先駆となる人々も登場。昭和に入ると、戦争の影響で“冬の時代”も迎えますが、復興と高度成長の一翼を担ったのもまた広告でした。戦後は、ラジオとテレビが新聞・雑誌と並んで4大メディアと呼ばれるようになり、企業は単なる商品の宣伝にとどまらない広告戦略を展開するようになります。女性の台頭や環境問題への関心を象徴するこの時期のポスターやCMたちは、まさに“時代の合わせ鏡”ですね。

20世紀の100年については、10年ごとのヒット商品などをコラージュした「20世紀ストリート」と、その時代の広告とを対比させる方法で展示を行っています。21世紀に入ってからは、ITの発展で広告メディアもさらに多様化しているので、展示方法もそれに合わせて多様化させていきたいですね。現在のところは、最初の10年のヒット商品やコンテンツを「21世紀ウォール」として展示していますが、今後は「この10年は何だったのか」をその都度振り返りながら、展示方法を考えていきたいと思っています。
(吉田雅子学芸員)

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20世紀の社会・風俗・文化(会場風景)

Information

アド・ミュージアム東京
所在地   〒105-7090 東京都港区東新橋1-8-2カレッタ汐留
TEL   03-6218-2500
開館時間  平日11:00~18:30/土曜・日曜・祝日11:00~16:30
※入館は閉館の30分前まで
休館日   月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合はその翌日)、展示替え期間、年末年始

おすすめミュージアムグッズ

■江都名物当時流行双六
江戸時代を代表する広告メディアの一つ、絵双六を再現した館オリジナルグッズ。裏面に解説があり、組み立て式のサイコロもついているので、実際に遊ぶことができます。
▼¥600
■燐票(マッチラベル)シリーズ
明治以降、日本の主要輸出品の一つとなったマッチは、そのラベルデザインでも「MADE IN JAPAN」のブランドイメージ向上に貢献しました。昭和期からは広告メディアとしても利用されていました。
▼クリアファイル 各\300 ▼しおり 各¥150

更新日:2013年11月24日

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