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第3回 竹久夢二美術館

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竹久夢二・画 「水竹居」 昭和8年

■竹久夢二美術館「夢二式美人」

夢二の美人画に見る大正期の美意識

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竹久夢二・画 「APL・FOOL」 大正15年

竹久夢二(1884-1934)は、大正時代を代表する画家として知られています。大正というのは、一言でいえば和と洋を融合した時代。家父長制が色濃かった明治時代が終わり、女性や子どもも含めた“個”の存在も重視され始めた15年間(1912-1926)でした。「大正ロマン」と称される大衆文化が花開く中にあって、出版美術やデザインの分野でも活躍した夢二は、まさに時代を象徴する存在。叙情的な作風は老若男女の支持を集め、自由恋愛を謳歌する生き方も人々を魅了しました。私生活でもたびたび新聞や雑誌を賑わせた夢二は、テレビのなかった当時、“アイドル”のような存在でした。

そんな夢二の代表作といえば、女性を描いた美人画の数々。色白のうりざね顔に伏し目がちな瞳、華奢ななで肩に曲線的な体つきは「夢二式美人」と呼ばれ、当時の女性にとっては“夢二のような美人”が最大の褒め言葉でした。夢二が描く着物を、ファッションの参考にした女性も多かったようですね。初期の美人画は、最初の妻であった他万喜(たまき)の面影が強く、後の恋人・お葉(よう)と出会ったきっかけは、絵のモデルとして紹介されたことなどから考えると、「夢二式美人」は夢二自身の理想の女性像を投影したのだと思います。当館で所蔵している日本画『水竹居』(=写真)は、夢二が晩年に外遊した際、ドイツ人女性をモデルに描いたもの。顔立ちや体つきには外国人らしさが感じられますが、独特の美しさはやはり、“夢二式”です。

ゆかりの地・本郷で大正気分を満喫

全国には夢二の名を冠した美術館がいくつかありますが、当館の特徴の一つとして、出版美術の収集と研究に重きを置いていることが挙げられます。夢二は画壇に属さず、雑誌や書籍で人気を集めた画家。表紙や挿絵、それに広告や小物のデザインから文芸まで、幅広い分野で作品を残しています。彼が装丁を手がけた書籍は表紙目当てに買う人が続出し、夢二デザインの千代紙や半襟を扱う店として自らの手で開店した「港屋絵草紙店」は、流行の発信地となりました。当館では、日本画、油彩、書、装丁本、雑誌、書簡など約3300点を所蔵しており、展示替えをしながら常時200~300点はご覧いただけます。

もう一つの特徴は、夢二が大正7(1918)年から2年半ほど滞在していた高級下宿「菊富士ホテル」のあったゆかりの地、本郷にあること。着物で散策したくなるようなノスタルジックな街並みと趣ある建物は、大正時代の雰囲気に浸るのにぴったりです。渡り廊下でつながっている姉妹館の弥生美術館でも、高畠華宵ら夢二と同時代の画家の展示を多く行っていますので、併せてご覧になれば、大正ロマンの文化や風俗を発見していただけると思います。(石川桂子学芸員)

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竹久夢二・画 『文章世界 十月特別号』表紙 大正3年

Information

竹久夢二美術館
所在地   〒113-0032 東京都文京区弥生2-4-2
TEL   03-5689-0462
開館時間  10:00~17:00 ※入館は閉館の30分前まで
休館日   月曜日(月曜が祝日・振替休日の場合はその翌日)、展示替え期間、年末年始

おすすめミュージアムグッズ

■チャーム&ピンバッチ
人気の館オリジナル商品。美人画で名高い夢二だが、動物も可愛らしい。少女のピンバッチの台紙には夢二の詩と小鳥のイラストがあしらわれています。
▼ピンバッチ ¥630 ▼ネコチャーム ¥480 ▼小鳥チャーム ¥525
■ブックカバー
日本画モチーフのグッズはもちろん、夢二のデザインがあしらわれた小物が並ぶミュージアムショップは、さながら現代の「港屋絵草紙店」のようです。
▼ブックカバー(16.5センチ×24センチ/文庫本サイズ) 各¥1,050

更新日:2013年11月24日

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